「栄一と戦争」感想 栄一 慶喜 篤二それぞれの思い
今回の主要キャスト
渋沢喜作 高良健吾さん
徳川慶喜 草彅剛さん
渋沢兼子 大島優子さん
渋沢篤二 泉澤祐希さん
渋沢敦子 藤松祥子さん
穂積歌子 小野莉奈さん
阪谷琴子 池田朱那さん
伊藤博文 山崎育三郎さん
セオドア・ルーズペルト ガイタノ・トタロさん
猪飼正為 遠山俊也さん
八十田明太郎 ヒロウエノさん
佐々木勇之助 永村航希さん
番組公式サイト:大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンライン
公式Instagram:https://www.instagram.com/nhk_seiten/
公式Twitter:【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) | Twitter
暗鬱たる回にあり、オープニングから尊いシーンがあった。
渋沢喜作 尾高惇忠と、徳川慶喜の対面である。
詳しい感想は本文で。
残されて生き続けることが どれほど苦であったか…
労う立場にないが、と前置きし、徳川慶喜は尾高惇忠にそう言葉をかけた。
弟の長七郎や平九郎、妹の千代にまで先立たれ、古希(70歳)を過ぎた惇忠に、これほど染み入る言葉はなかっただろう。
惇忠の脳裏に、若き日に見た幼い慶喜の勇姿が甦る。
あれから長い年月を経て、惇忠は初めて慶喜と対面を果たしたのだ。
なんと美しいシーンであることか。
その後、惇忠は新世紀を迎えるとともに亡くなったとナレーションが入った。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
尾高惇忠は、富岡製糸場の初代場長を辞めた後、国立第一銀行の盛岡支店、仙台支店の支配人を務めます。藍玉製造や販売のノウハウを持っていた惇忠は、東北地方の経済発展にも貢献。実業界の引退後は自適な生活を送り、最後は身を寄せていた栄一の別邸で亡くなりました。#青天を衝け
年齢を考えれば遅くもないが、惇忠あにぃとのお別れの日も来るとは。
「我らはこの兄に、何もかもを教わりました」(栄一)
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
慶喜と会うことができた惇忠と喜作。撮影後のオフショット。
公式Instagramではメイキングと撮影エピソードを公開中です。https://t.co/NOYoeyeRyX#青天を衝け#吉沢亮#草彅剛#高良健吾#田辺誠一#青天オフショット pic.twitter.com/gVpY3RQRNY
田辺誠一さん、年老いて小さくなったじい様っぷりがお見事でした。
楽しませてくれてありがとうございます。
お疲れさまでした。
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アメリカとは良好 ロシアとは険悪 栄一の決断は
明治35年(1902年)、渋沢栄一62歳の年、欧米を訪問していた栄一はアメリカのルーズベルト大統領と会談する。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
栄一と会談した、ルーズベルト大統領。栄一について「日本商工業の発展に多大なる影響を及ぼす人であり、社交上、および商業上、最高の地位を有する紳士である」という言葉を残しています。#青天を衝け
栄一が帰国したばかりの頃、ロシアの南下政策は日本の国防に脅威を与えていた。
栄一は大蔵省の井上馨に呼ばれ、陸軍参謀次長とともに協力を乞われる。
日本存亡の危機と言われ、栄一は渋々うなずいた。
こうして翌年の明治36年(1903年)、日露戦争が勃発する。
戦費に充てる国債の購入を呼びかける役割を担っていた栄一。
経済人を集めた会場で、戦争が経済に与える好影響をアピールし、国債の購入を呼びかける。
聴衆は栄一のスピーチに魅了され、大きな拍手と「帝国万歳」の唱和に包まれた。
微妙な心境のまま、栄一はステージを下りる。
倒れたのはそのすぐ後だった。
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生死をさまよう栄一 葛藤し怯える篤二
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
戦争の時に限って病気になる栄一。この頃、インフルエンザ発症後に中耳炎を併発。東京を離れ静養したものの、戻ると肺炎にかかり再び病床に伏しました。39度の高熱にうなされ、主治医の高木兼寛らが昼夜交代で治療にあたります。栄一自身もさすがに死を意識したようです。#青天を衝け
このような思わしくない病状の中、死を覚悟した栄一は篤二を呼ぶ。
「あとは頼んだぞ」
栄一はすべてを託そうと、片手を篤二の方に差し伸べた。
「嫡男はお前だ……この家を頼む……頼んだぞ……」
差し出された手に、怯えた様子の篤二。
父の手を取ったのかどうかはわからない。
ただ、続いたシーンは家の中を逃げ回る篤二だった。
あの手から逃げてきたかのように。
転がるように走り、図書室に逃げ込むも、書生たちがやって来る声が聞こえ、雨が降る庭へと転がり出る。
「あー! 何をやってるんだ……うあーっ!」
苦しい叫びを聞きつけ、兼子と、栄一の見舞いに来た慶喜が現れる。
「僕も逃げたい! ……僕も逃げたい!」
苦しい気持ちは理解するが、その先の慶喜への言い草はいただけない。
あなた(慶喜)よりはマシなはず、あなたが捨てたのは日本だ、それでもこうして平然と……うん、やはりいただけないね。
誤解しているかもしれないのに、世間の吹聴だけで慶喜を決めつけている。
それこそ父上が知ったら大目玉だろう。
篤二は以前、父よりも慶喜の生き方に憧れると言っていた。
そんな単純なことではないと慶喜は応じていたのに、そこを深く考えてみることはしなかったようだ。
パニック状態でない篤二なら、絶対に言わなかっただろう。
惜しいというか、残念というか、とにかく気の毒な嫡男である。
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渋沢栄一と徳川慶喜
「そなただけは どうか尽未来際(じんみらいさい)……生きてくれ」
誓いが果たせなかった平岡円四郎が思い出され、ジーンとさせられた場面。
病のせいか「上様」と呼んでいたけど、その時の栄一の顔は、本当に「上様」と呼んでいた頃のように若々しく見えた。
吉沢亮さんが若いんだから仕方がない。
イチャモンつけるわけじゃないけど、60過ぎにはどうしても見えない。
動作や話し方では、それなりに努力なさっているんだけども。
第39回「栄一と戦争」をご覧いただきありがとうございました。
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
見逃した方、もう一度見たい方は ぜひ #NHKプラス でご覧ください。
▼配信ページはこちらhttps://t.co/OBeikqYB5H
※配信期限 : 12/19(日) 後8:44 まで
※要ログイン#青天を衝け#追天#吉沢亮 pic.twitter.com/tvsVVitEJ5
話を戻す。
慶喜が一方的に栄一にかけた言葉。
- 生きてくれたら何でも話そう
- 何でも話す
- そなたともっと話がしたいのだ
- だから死なないでくれ
これは死ぬわけにはいかんと、栄一は全細胞レベルで思ったに違いない。
ナレーションによると、その後、みるみるうちに回復したらしいから。
とにかく治ってよかった。
篤二も救われただろう。
徳川慶喜 語る
慶喜の伝記を作るために渋沢邸に人が集められ、慶喜はそこで話すことに。
鵜飼正為さんもお元気で何よりである。
いきなりクライマックスの慶喜の語りに意表をつかれた。
重過ぎて書き起こせない。
とても重要な部分なので、興味のある方はオンデマンド放送か、土曜日の再放送でご覧いただきたい。
何とも言えぬ。
ただならぬ慶喜の覚悟があったことだけは伝えよう。
最後に慶喜は、人にはそれぞれ役割りがあり、自分にとっては隠遁が最後の役割りだったと語った。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月12日
慶喜が「私の最後の役割だったのかもしれない」と話した #隠遁(いんとん)とは、この世との交わりを断ち、俗世間から逃れて暮らすことです。#青天を衝け
「役割り」という言葉は、いつまでも栄一の中に残った。
「私が目指していたものはこれか?」
「父上?」
「いいや 違う。今の日本は 心のない張りぼてだ。そうしてしまったのは私たちだ。私が止めねば」
「篤二……私は近く 実業界を引退する」
最後は後方にいる篤二を振り返って言い、微笑みながら視線を戻したところで「つづく」。
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次回予告とあとがき
次回は 15分拡大版 第40回「栄一、海を越えて」。
伊藤「アメリカを頼んだぞ」
??「排日が盛んなのは 日本人移民が多い西海岸だそうです」
栄一「あいつの辛さを理解できていなかった」
篤二「父が出ていったのに 住み続けるのは申し訳ないと」
慶喜「楽しかったなぁ」
栄一「こんなことでは 日本は……」
喜作「おめえはまだまだ励むつもりなんだのう」
栄一「ノーウォー! ノーウォーだ!」
残すところ、あと2回!
19日、26日ともに15分拡大版!
なのに栄一アメリカ行っちゃうの?
篤二がますますひねくれてるよ。
栄一、そんなに熱くなって血圧大丈夫?
ノーウォー! いいね!
次回予告に関しては以上。
さて、今回、感想をすっ飛ばした部分もあるけど、全体的に暗めな回だった。
とても素晴らしかったのが、オープニングの慶喜と喜作、惇忠の対面シーンと、見舞いに来た慶喜と栄一のシーン。
芸術性も感じられた。
とにかく、あと2回、思いっきり楽しんで観ようと思う。
それではまた。
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