「栄一、海を越えて」感想 会心のスピーチと息子の不始末と今生の別れ
今回の主要キャスト
渋沢喜作 高良健吾さん
徳川慶喜 草彅剛さん
渋沢兼子 大島優子さん
渋沢篤二 泉澤祐希さん
渋沢敦子 藤松祥子さん
穂積歌子 小野莉奈さん
阪谷琴子 池田朱那さん
高梨孝子 土居志央梨さん
猪飼正為 遠山俊也さん
八十田明太郎 ヒロウエノさん
佐々木勇之助 永村航希さん
益田孝 安井順平さん
伊藤博文 山崎育三郎さん
井上武子 愛希れいかさん
加藤高明 天田暦さん
孫文 東浩さん
ウィリアム・タフト ニール・ギャリソンさん
ロジャー・グリーン スティーブ・ワイリーさん
番組公式サイト:大河ドラマ「青天を衝け」|NHKオンライン
公式Instagram:https://www.instagram.com/nhk_seiten/
公式Twitter:【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) | Twitter
まず一言目に言いたいことは、渋沢栄一の老年期を演じる吉沢亮さんの巧みさ。
とても素晴らしかった。
でも次回の最終回に向けて、寂しくなる回でもあった。
まさか立て続けに大きなお別れが待っていようとは。
栄一がアメリカを駆け抜けた今回、詳しい感想は本文で。
渋沢栄一 70歳にして実業界を引退 渡米する
逆に70歳まで実業界のトップを走り続けていたことに驚く。
それでも引き止めようとする面々、引退させてやってくれと思った。
のんびり隠居するための引退ではないのだ。
栄一の場合は。
伊藤博文との穏やかな語らいが、ずっしりとした重みを帯びていた。
「怖かったんじゃ。絶えず 列強におびえてきた。日本を守ろうと思う心が強過ぎて 臆病心が出とったんじゃ」
「恐れや臆病からくる争いは とても危うい。これがある限り 人は 戦争をやめられません」
そして栄一は、排日運動が盛んなアメリカに赴き、民間外交を行うことを伊藤に明かす。
「アメリカを頼んだぞ」
長年の友である栄一を、伊藤は心の底から信頼していた。
友の言葉を受け、栄一たち渡米実業団は、明治42年(1909年)アメリカへと旅立った。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
渡米実業団の団長を務めた栄一は、米国側が一行のために用意した特別列車「ミリオン・ダラー・トレイン」で約90日間の全米の旅に出ます。食堂車、寝台車、展望車などを備えた豪華列車で、動く住まいとして利用します。#青天を衝け
渡米実業団は実業家と大学教授、新聞記者ら51人のメンバーで、各地の工場、エネルギー施設、発電所、牧場や大学、福祉施設などを訪れた。
列車は豪華だが、行程は多忙を極めたという。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
アメリカでの栄一のスケジュールは多忙でした。朝食を終え、列車が駅に到着すると車で移動し、各所の歓迎に答辞を述べ、取材を受ける。昼食後は演説や工場視察、さらに夜の晩さん会…。寝ているうちに列車は次の目的地へ…そんな一日を繰り返しました。#青天を衝け
これを約90日間続けたのである。
すごい体力の一行だ。
渋沢栄一 タフト大統領と面会 そして突然の訃報
政治家の外交と違い、民間レベルの外交となると、迎える側の態度もソフトな印象がある。
日本に友好的なタフト大統領が相手なら、尚更のこと。
\あすの #青天を衝け は 15分拡大版!/
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月18日
第40回「栄一、海を越えて」
12月19日(日)
[総合]夜8時
[BSP・BS4K]午後6時
実業の第一線を退いても、まだまだ日本のために奔走する栄一。いよいよクライマックス。お見逃しなく! pic.twitter.com/R4FpK16JFE
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
栄一は、ミネアポリスでタフト大統領と謁見します。大統領は歓迎の辞で、カリフォルニアの日本人移民排斥問題は過去の事実になるであろうと述べ、大統領の音頭で「バンザイ」三唱をしたといわれています。#青天を衝け
旅の目的のひとつをクリアし、栄一の顔も晴れ晴れとしていた。
順調に旅を続ける栄一のもとに、ある日、信じがたい訃報が飛び込む。
伊藤博文が暗殺されたというのだ。
激しいショックを受ける栄一。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
伊藤博文が満州で暗殺されたことを知った栄一。記者にコメントを求められ、伊藤の功績を述べ始めますが、感情を抑えられず涙してしまいます。この日は歓迎の晩さん会を中止し、車中で電報を打つなどして、哀悼の意を表しました。#青天を衝け
栄一は涙し、いつまでも静かに伊藤の名を呼び続けた。
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渋沢栄一のサンフランシスコでのスピーチ
最も排日運動が盛んな都市として、サンフランシスコでの講演はキャンセルした方がいいとの声も上がる中、栄一はしっかりと壇上に立っていた。
「アメリカは頼んだぞ」
亡き友の声に背中を押されて。
第40回「栄一、海を越えて」をご覧いただきありがとうございました。
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月20日
見逃した方、もう一度見たい方は ぜひ #NHKプラス でご覧ください。
▼配信ページはこちらhttps://t.co/uwGtQJW4Cd
※配信期限 : 12/26(日) 後8:58 まで
※要ログイン#青天を衝け#追天#吉沢亮 pic.twitter.com/idFrbNUWAy
今回の見どころのこのスピーチ、とにかく圧巻だった。
小さい頃から一貫している栄一の理想論。
まるで実現できることのように聞き惚れてしまう。
これぞ栄一である。
危惧されていた講演会は拍手喝采で終わった。
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渋沢篤二 廃嫡される
また放蕩の虫が騒いだ様子の篤二、今度はとんでもない過ちをしでかしてしまう。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
阪谷や穂積、歌子など姉たちが、愛情を注げば注ぐほど、篤二にとっては”渋沢家の嫡男”であることが重圧となります。やがて、新橋の芸者・玉蝶とのスキャンダルが発覚。妻を離縁して玉蝶を家に入れると言い出します。#青天を衝け
ドラマでは描かれていない部分の解説もある。
敦子を離縁して、玉蝶を家に入れたいなどと、よく言えたものだ。
呆れ過ぎて逆に感心する。
でも、これが篤二のSOSなのかもしれない。
跡取りなんて無理です、解放してください、という。
栄一はとうとう決断する。
「嫡男 篤二を廃嫡とし……」
遺言書を読み上げる栄一。
篤二は長男だが嫡子ではなくなる……つまり、跡取りではなくなるということだ。
衝撃を受ける一同。
【#青天ナビ】
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
仕事で多忙を極めていた栄一は、篤二の子育てを娘夫婦に任せきりで、父としての厳格さをうまく示せていませんでした。しかし、篤二が妻を追い出そうとしていると知り、“人倫にもとる”とついに廃嫡を決断します。穂積、阪谷両家も、その場で泣き崩れたといいます。#青天を衝け
穂積は長女 歌子の姓、阪谷は次女 琴子の姓である。
こうして、栄一はやっと篤二の苦しみを知るに至った。
でもあっちが悪い、こっちが悪いって話じゃなく、優しい喜作が篤二の息子の敬三に言って聞かせていたね。
おめぇの母上は悪くねぇ、篤二だって……って。
「おめぇの親父は よく頑張っておった。ただ 向いていなかったんだ」
賢そうな敬三は納得したようだった。
思わず、ありがとう喜作、と心の中でつぶやいた。
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渋沢栄一と渋沢喜作
翌年、明治天皇が崩御、時代は大正になった。(大正元年:1912年)
血洗島の大きな木の下で語らう栄一と喜作。
ゆったりした時間の中での彼ららしいやり取りに、変わったものと変わらないものの両方を見せつけられた。
祭りの笛が聞こえ、畑の向こうの舞いの中に混じっていく幻想的なシーン。
喜作の最後の登場シーンだった。
大正元年、74歳で生涯を閉じたとナレーションが入る。
真夏や真冬のロケ、激しいアクションシーンなど、1年以上もの間、渋沢喜作を演じた高良健吾さん。吉沢亮さんの隣に座って、2人で話している姿をよく見かけました。吉沢さんは、栄一と喜作が憎まれ口を言い合うあの関係性が大好きだそうです。#青天を衝け#吉沢亮#高良健吾#青天オフショット pic.twitter.com/3lbzhANtBW
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
高良健吾さんは、敬三と栄一の話をするシーンでクランクアップを迎えました。お花を渡した吉沢亮さんと抱き合う2人の姿に……😢
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月20日
高良さんのご挨拶の一部を、公式Instagramで公開中です。https://t.co/NOYoeyeRyX#青天を衝け#吉沢亮#高良健吾#青天オフショット pic.twitter.com/tL5EMBsqSu
高良健吾さん、言葉で言い表せないほど楽しませていただきました。
栄一とのコンビは面白くてカッコよくて最高です。
本当にお疲れ様でした。
今回はここで終わってほしかった。
渋沢栄一と徳川慶喜
「尽未来際(じんみらいさい)共にいてくれて……感謝しておる」
いろいろ話していたけど、これに尽きると思う。
やはり孤独で寂しかったというような、人間らしい感情があふれ出ていた。
ように思う。
慶喜の最後のシーンは涼しげな目元で微笑んでいる顔だった。
77歳の天寿をまっとうしたとのナレーション付き。
大正2年のことである。
いくら亡くなった時期が近いとはいえ、喜作と慶喜を続けられては寂しい。
喜作の余韻に浸ることすらできなかった。
今までだって多少の力技で出来事を前後させることがあったのだから、ここも何か工夫がほしかった。
ワンクッション入れるとか、慶喜のシーンは最終回冒頭にするとか。
そう悔しく思うほど、いいシーンだったのだ。
栄一と慶喜の最後のシーンで、草彅剛さんはクランクアップを迎えました。吉沢亮さんから花束を渡され、スタッフに深々とおじぎしていた草彅剛さんがとっても印象的でした。ステキな慶喜を、ありがとうございました。快なり〜!!#青天を衝け#吉沢亮#草彅剛#青天オフショット pic.twitter.com/t1BNf4iNWQ
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
草彅剛さん、たくさんの素晴らしいシーンをありがとうございます。
吉沢亮さんとの共演、痺れました。
「生きていてよかった」ありがとうございました。
本当にお疲れ様でした。
こちら、草彅剛さんのインタビュー。
\公式HP更新のお知らせ/
— 【公式】大河ドラマ「青天を衝け」 (@nhk_seiten) 2021年12月19日
徳川慶喜役・草彅剛さんのインタビュー part2を公開しました。
本日放送シーンの本編映像とともに、撮影ウラ話も盛り込んだスペシャル版です!
クランクアップ後、どのように過ごしていたのかも伺いましたよ。#青天を衝け#草彅剛#徳川慶喜https://t.co/WJ6wISRTMs
是非ご覧いただきたい。
渋沢栄一と渋沢敬三
刻々と変化する世界情勢に巻き込まれていく日本。
大隈、加藤とのやり取りは見応えがあった。
栄一の気迫は老い知らず。
そんな中、栄一は孫の敬三のもとを訪れる。
高校は農学部に進もうとしている敬三に法学に進んでもらい、後々は栄一の跡取りとして実業界に身を置いてもらうためだ。
わざわざ正装し、頭を下げる栄一だったが、敬三は当然ながらすぐにはうなずかない。
敬三には気の毒な話。
でも夫が廃嫡となった敦子にしてみれば、息子が跡取りになれば渋沢邸に留まる理由にもなるし、すこしは面目が立つというもの。
篤二だってそうだ。
居場所を失うことにはならない。
生物学者を夢見ていた敬三だが、もし栄一の望みをかなえようとするならば、それは両親のための決断にもなるだろう。
ラスト、徳川家康公が白い布の間からご登場である。
「慶喜よ よくぞ生き抜いてくれた」
寿命を追い越されたことは気にされておられぬご様子。
「栄一はまだまだ止まりませんよ。さぁ どうか最後まで 私と共に見守っていただきたい」
と、視聴者に訴えたところで「つづく」。
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次回予告とあとがき
次回は 15分拡大 最終回「青春はつづく」。
敬三「偉人という響きは……祖父には似合いません。皆さんには 失敗したこと かなわなかったことも 全て含んで…… 『お疲れさん』と 『よく励んだ』と 渋沢栄一を思い出していただきたい」
栄一「大丈夫……大丈夫だい」
ほぼ喪主の挨拶。
語ることは特にないかな。
ということで、予告に関しては以上。
40話を観た時点では、やっぱり慶喜の最後のシーンと、家康公のシーンは、最終回冒頭がよかったのではと思うのだ。
これは喜作の最後のシーンの余韻をもっと感じていたかったという、個人的なわがままであり、最終回を観れば感想は変わるかもしれない。
『2人の渋沢』がすごく好きだった。
それにしても役が老いてからの演技、皆さん素晴らしい。
特に1番多く映って1番多く喋っている吉沢亮さんには脱帽である。
もう詰め込み過ぎだよ~。
感想が書き切れなかった部分も少々。
残すは最終回のみ。
ご一緒に楽しみましょうぞ。
それではまた。
前回の感想記事
最終回の感想記事
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