目の離せない父と悪いことばかりじゃなかった母の介護
今日は穏やかに書くつもりの山姥です。
昨日のブログ、やはり書きっ放しというわけにはいきませんからね。
セルフネグレクトの親の介護を淡々と綴ってみましょう。
それに母の介護、悪い時は悪いことばかり思い出しますが、いいこと、楽しいこと、嬉しかったこともそれなりにあったのです。
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やはり目が離せないデンジャラスな父
私一人の時は、最近はもう朝ご飯のお世話はナシです。
父は目が覚めてしまえば勝手にご飯を食べているか(本当にご飯だけ)、私が起きるまで寝ているかのどちらかが多かったのですが、今日は起きてもまだ何も食べていませんでした。
父が何時に起きたのかはわかりません。
慌ててご飯支度を始めます。
お昼ご飯には早過ぎる時間ですが、朝というには遅過ぎるので、これから食べるのは「お昼ご飯」だという設定に。
起きられません。
私自身がまず自分の身体を元に戻さなければ、これからも父に朝ご飯を食べさせることはできないでしょう。
以前も書いたように、元々低血圧、鉄欠乏性貧血の上、この夏は食べることを忘れがちですっかり弱ってしまいました。
まだ立ち上がるとふらつき、家の廊下を歩いているだけなのにバランスを崩してよろけ、身体の芯に力が入っていない感じです。
まあ、涼しくなったからといって、すぐに元に戻るはずもありませんが。
とにかく急いで父にご飯を食べさせました。
「美味しい」と何度も繰り返しながら食べていて、お腹が空いていたのだろうと思い至ったところで、ようやく正常な罪悪感が胸に広がります。
ようやくです。
正常……ですよね?
同じ質問に何度も答える作業もこなし、父が食べ終わりそうな頃に、私も食事をしに部屋に戻りました。
食べ終えたら目の前の薬を飲むようにと念を押して。
今日もきっと大丈夫だと思えました。
ところが、食事を終えて父の様子を確認しに行くと、ショッキングな出来事が待ち受けていたのです。
食器は片づけなくていいと言ってあるのですが、流し台にご飯茶碗などが置いてあり、その中に、あるはずのないものが……。
抗菌防臭スプレーです。
キャップが外されており、見回すと父が食事していた席のテーブルの上にキャップだけが……まさか……まさか、飲んだ……?
テレビの近くの席に移っていた父に問いただします。
もし飲んでしまっていたら、ただ事では済みません。
もう頭の中は「救急車呼ばないと……いや、まず吐かせないと!」という切羽詰まった発想一色です。
しかし、本人は「飲んでいない」と。
驚きと焦りで、詰問するような勢いになってしまった私に気圧されたのでしょう。
自分が何か悪いことをして迷惑をかけているかもしれない……そんな不安そうな表情を浮かべる父。
ハッとした私は穏やかな口調に戻します。
飲んでないなら大丈夫だけど、どうしてここにあるのかなー?という風に、何とか思い出してもらおうと必死でした。
でも「飲んでない」と答えるだけで、なぜキャップを外した容器を流しに置いたのかは思い出せません。
飲み物を置く場所は決まっています。
水とスポーツ飲料のペットボトルが並べてあり、父は自分で飲めるはずでした。
でもスプレーを飲み物かもしれないと思い、開けてみたのだとしたら、もう目の届く場所に置くことは避けなければなりません。
しばらくテレビのついた不協和音まみれの部屋で、父の様子を観察しました。
幸い、吐き気や不調を訴えることもなく、時代劇を観て楽しんでいます。
「飲んでない」は真実だったようです。
本当によかったです……。
あんなに肝を冷やしたのは久々ですよ。
その後に気づいたことですが、薬を1錠だけ飲み忘れており、これも慌てて飲ませました。
同じ場所に3錠まとめて置いてあったのに、よく1錠だけ飲まないという器用な忘れ方をするものです。
認知症の人の行動は想定外の連続ですね。
ホッとした途端に、どっと疲労感が襲ってきました。
でも不安にさせないように何度も様子を見に行き、小まめに水分補給をさせ、今日もやれることをやりました。
昨日はずどーんと落ちていましたが、当日は落ちている暇はありません。
良くも悪くも今日も乗り切ったという報告でした。
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悪いことばかりじゃなかった母の介護期間
昨日書いたバイオレンス介護(そんな言葉はありません)の内容で、壮絶だったことはご理解いただけたかと思います。
でも母も365日、24時間ずっと泣き叫んだり暴れたりしていたわけではありません。
鬱なので人と会わなくなりましたが、「趣味を持ちたい」ということで、いろんなことに興味を示していました。
部屋で一人でできる趣味もたくさんあるものですね。
私の残念な記憶欠落のせいで、思い出の時系列はおそらく前後するものもあると思います。
歌、特に懐メロ番組が好きでよく観ていました。気に入った曲があるとCDを買ってくれと頼まれ、私は何度もネットで購入しました。
演歌は意外じゃないですけど、絢香の「三日月」、SMAPの「世界に一つだけの花」なども頼まれて買った記憶があります。
それから喜多郎さんの「シルクロード」? 昔NHKで放送されていた「シルクロード」のテーマ曲です。
シンセサイザーの美しい音色で……若い人たちは知らないかなあ?
番組が放送されてたのは私が小さい頃だったもんなあ。
あ!こういう場面でAmazon広告とか入れればいいわけですね?
……っと、いやいや、今は母の話。
朝の連ドラは毎回観ていました。
昼も観ていました。
そういえば面白い場面では笑っていた気がします。
楽しげに、とまではいかず、苦笑のような微笑みでしたが。
あー、あれ?ちょっと待ってください……。
なんかすごい……今、書いていて記憶が甦りました。
きみまろさんですよ!
綾小路きみまろさん!
笑ってました!
はっきり声を出して、楽しそうに笑ってました!
でもなんで? なんで、あの母の笑い声が記憶から消えてたの……?
ちゃんと笑ってた時もあったんじゃん!
1番忘れちゃダメなことじゃんよ!
すみません、取り乱してしまいました。
穏やかに、穏やかに……。
絵手紙の話をしたかったのです。
長い期間ではありませんでしたが、母が熱中し、やり甲斐を見つけたように楽しんでいた絵手紙。
見出し下の画像がそれです。
カエルのおっちゃんは違いますからね。ただの緩和材です。
絵手紙はかなりの枚数になり、他にも複数枚並べた大きな額が3つ以上、入りきらなかったものは仏壇に重ねて保管してあります。
新聞に投書して掲載されたこともありました。
とっても喜んでいました。
その1枚だけは今でも玄関に飾ってあります。
甦った記憶のおかげか、なんだか久々に懐かしい幸福感も広がってきました。
昨日とは別人ですね。混乱している方、ごめんなさいね。
今日はこのまま終わった方がよさそうです。
明日は父のデイサービス4回目の日です。
それではまた。
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