山姥の戯言日記

セルフネグレクトの介護うつ闘病記 「私の場合」過去と現在を行ったり来たり

【遠い昔の物語】ワケありの女性だった母、そして父との結婚

前回挙げた私の病気の要因の一つ、東日本大震災
これによって身体にも精神的にも大きな変調を来してしまったのですが、私にとってはまだ最近のことです。
今回はそもそもの始まり、両親のことを書いてみたいと思います。
  

冬のヒヨドリ

 
私の病の最初の原因となったのは父、そしてその姉である伯母たちでした。
末っ子である父は中学生の時に父親を亡くし、母親と二人の姉に大事に育てられました。高校は進学校へ進み、スポーツで活躍して新聞に何度も載ったりと、地域では知らない人がいないほどの人気者だったようです。
 
でもプロ選手になるには至らず、大学にも進学していません。卒業後は定職に就くこともなく、黙って家を出て他所で暮らしたりと、奔放な生き方をしていました。
期待されていた地元の有名人の辛いところですね。
プライドの高い負けず嫌いの青年のすること。そう考えると安易に非難する気にはなれません。
ちなみに、留守中になんとかニューフェイスの第一次審査合格の通知が届いていたそうです。父なりに様々な道を模索していたのでしょうね。
 
しばらくして、ある日ひょっこり帰宅した父は、祖母と同居している見知らぬ女性と出会います。
ワケありで身を隠すために預けられていた女性、後の母です。ワケありといっても犯罪者ではありませんよ。逆に、騙されて交際していた反社会的勢力の構成員から逃げていたのです。
 
貧しい大家族の長女だった母は、中学卒業とともに看護師の道に進み、弟たちにお小遣いをあげるために真面目に働いていました。
世間知らずのうら若き白衣の天使です。
ところが、ある患者に交際相手の男性の正体を教えられ、身の危険を感じた母は姿を消す決心をしたのです。
 
その患者こそ、たまたま母の病院の近くで暮らしていた父の一番上の姉でした。伯母は自分の実家を頼るよう勧め、母はひっそりと祖母と2人で暮らすようになったのです。
実際に母に追手がかかり、すぐ近所まで怪しい男が訪ねてきたそうですが、居場所を知られることもなく無事に済みました。
 
ここまでの話では伯母は正義感の強い大恩人ですが、母が弟嫁になってからは鬼の小姑に変身します。伯母が遠い地で暮らしていたことは大きな救いでした。
それより問題だったのは、近くに住み、毎日のように訪れる2番目の伯母です。それはもう大問題です。彼女についてはまた後ほど。
 
話を戻します。
母を見初め、プロポーズをして、父は新しい家族を得ました。近くの神社まで二人で歩き、母が承諾の返事をした時は子供のように喜んだそうです。
 
でも私には、ここで疑問が浮かびます。
底なしに優しい祖母を慕っていたのは知っていますが、母は父のことを本当に愛していたのでしょうか。
しばらくは自分の家族に会えないという絶望感、匿ってくれたことに対する恩義、そして事情を知りながらも必要としてくれている男性。幸せでもあったでしょうが、母に負い目がなかったはずがありません。
 
結婚は純粋な恋愛で成り立つものばかりではないので、そういうケースももちろんアリでしょう。でも、その後のことを考えると、どうしても私の中にモヤモヤとした何とも言えない気持ちが生じます。
 
私の幼い頃まで話を進めるつもりが、生まれる前の話になってしまいました。
 
小雨の中、日中に撮影しました。まさにどんよりした気持ちを表す一枚。
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母の気持ちを知ることはもうできません。
知ったとしても、きっと何も変わらないでしょう。
その後の苦労についても、何でも父の言うことが正しい、逆らってはいけないという思い込みと、伯母たちの厳しい言いつけのせいです。
 
父も仕事をするときは熱意もあるし向上心も持っていました。ですが、うまくいかないとすぐに自棄になってしまうダメンズです。職の定まらない父に、母は看護師の給料を袋のまま渡し、一度も小遣いをもらったことがなかったそうです。
 
そんな暮らしぶりでも我慢できたのは祖母がいたから。本当の母親と同じように慕っている姿は、私も薄っすらと記憶にあります。本物の血のつながった親子のようでした。
 
上の伯母は、激昂すると祖母に乱暴するような女性で、伯母がいなくなった後、祖母と母は抱き合いながら泣いたそうです。その時に祖母が母に言った言葉。
 
「あんなのは娘でねえ。オレはな、おめえのごどを本当の娘だと思ってんだ」
 
大人しく、どこまでも優しい女性だった祖母。母の辛い気持ちもわかっていてくれたことでしょうし、本気で娘として可愛がってくれていたのです。しかし、そんな僅かな幸せさえ長くは続かず、祖母は私が小5の時に突然他界しました。心筋梗塞でした。
 
そして、母にとっての本当の茨の道はそこから始まることになります。