鎌倉殿の13人「資格と死角」鎌倉殿と公暁の明暗 芽生えた憎しみ
今回の主なキャスト
政子 小池栄子さん
のえ 菊地凛子さん
千世 加藤小夏さん
実衣 宮澤エマさん
阿野時元 森優作さん
初 福地桃子さん
平盛綱 きづきさん
トウ 山本千尋さん
藤原兼子 シルビア・グラブさん
語り 長澤まさみさん
公式サイト: NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
公式Twitter: 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) | Twitter
公式Instagram: https://www.instagram.com/nhk_kamakuradono13/
鎌倉殿になりたい公暁 京から養子を迎えたい鎌倉殿 それぞれの思惑
京から帰った公暁は野心に燃えていた。
鎌倉殿が「我が子に等しい」と認める唯一の男子であり、その鎌倉殿には子がいない。
「必ず鎌倉殿になってみせる。私は そのために戻ってきた」
こういう気持ちになるのもわからないではない。
公暁は鎌倉殿の養子取りの話を、鎌倉殿の口から聞かされることになる。
ショックを受ける公暁。
公暁の乳母父である三浦義村、そして執権 北条義時、乳母の実衣は断固反対の構えだったが、決定的な文が後鳥羽上皇から鎌倉殿に届く。
鎌倉殿は自ら発表しようと皆を集めた。
そこへ公暁も姿を現す。
「上皇様は 親王様の中から 誰かを(養子として)遣わしてもよいと仰せだ」
これで、もう義時たちは反論できなくなった。
「義時。これならば 反対する御家人はいないと思うが」
「実現すれば これに勝る喜びはございませぬ」
「義村」
「御家人たちも 皆 喜ぶと思います」
悔しそうな顔をする公暁だった。
その後、京へ行くと言い出した鎌倉殿の代わりに、政子が京へ上ることになる。
「この母に お任せあれ」
こうして、鎌倉殿の養子の件は決定事項となったのである。
政子vs兼子の談判とトキューサの技あり
京は院御所。
政子は藤原兼子との対面に臨もうとしていた。
慈円僧正が、政子に会う前の兼子に助言をする。
「征夷大将軍の母親とはいえ もとは伊豆の田舎娘。侮られてはなりませんぞ」
「わかっております。鼻をへし折ってやります」
「へし折った上で 話に乗ってやる。談判をうまく運ぶコツにございます」
「兼子様は 頼仁親王様を育ててこられたお方でございます。頼仁親王様が鎌倉殿になられるというのは 兼子様にとっても願ってもないこと。そこを うまく くすぐる。談判をうまく運ぶコツにございます」
いよいよ談判の時が来た。
嫌味な言葉も難なくかわし、話は終始、政子のペースで進んだ。
頼仁親王は今の帝の弟であり、帝の妃は子を宿しているという。
これで頼仁親王が次の帝になることはないと、政子は事実をさり気なく突きつけた。
なんともったいないことでしょう…と、更に話を進める。
「ならば 代わりに鎌倉殿になっていただけたら これほど嬉しいことはございません。そうなった暁には 兼子様は我らにとっても 何よりも大事なお方となります。鎌倉挙げて 最高の礼を尽くしたいと考えております」
「あら」
一気に兼子の心を掴んだ政子である。
同じ頃、政子の供をしてきた時房は、相手が上皇とは知らずに蹴鞠の技を披露。
褒められた流れで上皇の肩を強く押してしまい、警護の者たちに取り押さえられた。
「上皇様にあらせられる」
慈円僧正の言葉に、時房は平伏し、声を裏返しながら平謝り。
「トキューサ と申したな」
「トキューサでございます!」
「いずれ また 勝負しようぞ。トキューサ」
「ははっ!」
「慈円僧正。我が最愛の子たる親王を鎌倉に与える話 早く決めてやれ」
「かしこまりました」
上皇は時房も「トキューサ」も気に入ったようである。
というか「トキューサ」ネタ、ここにまでねじ込んでくるか。
よほど作家が気に入ったネタのようだ。
りくの聞き間違いの時は面白かったが、ここまで推されると不自然さしか感じない。
それはともかく、政子の談判は大成功に終わった。
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源仲章の挑発に義時は… 親子の結束
正式に、鎌倉殿の養子は頼仁親王に決まった。
親王の後見人として、鎌倉殿は左大将に任ぜられ、母親の政子は従三位に叙せられた。
鎌倉殿は側に仕える北条泰時にも官位をと言い出し、本人と義時は遠慮するものの、源仲章が「讃岐守」がいいと勝手に話を進める。
自分が申し出れば、上皇はきっと許すだろうと自慢げに微笑みながら。
廊下を行く義時を、仲章が追ってくる。
「北条殿。めでたいこと尽くし。頼仁親王様が鎌倉殿になられた暁には この源仲章が いわば関白として支え 政を進めてゆく」
「決まっているような言い方ですね」
「朝廷と鎌倉を結ぶ役割に 私以上に適任の者がいれば教えてくれよ。執権殿は伊豆にでも帰られ ゆっくりと余生を過ごされよ」
「かねてより 望んでいたことでございます」
「そうなったら 私が執権になろうかなあ」
気に障る笑いを残し、仲章は去って行った。
その夜、ふらりと泰時邸を訪れた義時は、息子と2人だけで話をする。
「単刀直入に言う。讃岐守のこと 断ってもらいたい」
「訳を伺っても よろしいですか」
「お前は私をよく思っておらぬ」
「お待ちください」
「わかっている。しかし 私は お前を認めている。いずれ お前は執権になる。お前なら 私が目指していてなれなかったものになれる。その時 必ずあの男が立ちはだかる。源仲章の好きにさせてはならぬ。だから 今は気をつけよ。借りを作るな」
「ご安心ください。私も讃岐守は ご辞退しようと思っていたところです。気が合いましたね」
「帰る……親王を将軍に迎える件 受け入れることにした。つまり親王は こちらにとっては人質だ」
「人質……」
今度こそ帰ろうとする父を、泰時は慌てて呼び止めた。
「父上が なろうとしてなれなかったものとは何ですか」
足を止めた義時だったが、問いには答えず再び歩き出す。
そんな父の背中を、泰時はただ見つめていた。
久々に険悪ムードでない親子を見た気がする。
源仲章という新たな敵のおかげだ。
それにしても仲章の態度がいちいちムカつくのがすごい。
生田斗真さん、好演である。
のえに急接近する仲章 その目論見は
その仲章が、義時の妻 のえに近づく。
出会いはスローモーションで、とても含みのある演出である。
「たたずまいに 雅さが漂っておられる」
「よく言われます。京のお話 もっとしたいわ」
のえはいつもの調子だが、その目と顔はキラキラと輝いている。
仲章の目的は、上皇が目の敵にしている義時を叩き潰すことだろう。
のえに急接近したのも、その策のうちと思われるが、果たして目論見通りに事が運ぶであろうか。
見ものである。
公暁に真実を暴露する三浦義村 どこまでが本気か
「私が 鎌倉殿になる芽は摘まれた。そういうことか?」
八幡宮の修業の場。
「そういうことか?」
「無念にございます」
行け、と小さく義村に命じ、公暁は独り言のように呟いた。
「一体 私は 何のために戻ってきたのだ……」
部屋を辞そうとしていた義村が立ち止まる。
「若君が鎌倉殿になれば 必ず災いが降りかかる。これでよかったのです」
「どういう意味だ?」
「お母上から何も聞いていないのですか」
「何のことだ?」
「お父上の 死に至るまでのいきさつを」
公暁は母のつつじから、父は病死と嘘を教わっていた。
真実が他にあると知った公暁は興奮し、本当のことを言えと義村に激しく迫った。
観念したように、義村は真実を語りだす。
「あなたの父上は殺されたのです。北条の手によって」
公暁は思い出していた。
幼い頃、比企尼と出会い、「北条を許すな」と繰り返されたことを。
「北条は 頼家様と その家族を皆殺しにした。本来ならば 後を継ぐべき あなたの幼い兄も義時によって殺された。わずか6歳で!」
「北条を許してはなりませぬ。そして 北条に祭り上げられた 源実朝もまた 真の鎌倉殿にあらず」
言うだけ言って、義村は去った。
「許せぬ……」
後に残されたのは、怒りに燃える公暁ただひとり。
さて、このシーン、視聴者としては義村の言い分をすべて真に受けるわけにはいかない。
はっきりしていることは、公暁に真実を告げ、北条ばかりか鎌倉殿の名前まで出し、謀反への道筋をつけたということ。
次回、義村の一挙手一投足に注目しよう。
不穏なエピローグ
頼仁親王を迎える日に心をはやらせ、鎌倉殿は様々な儀式を執り行っていた。
7月8日は直衣始(のろしはじめ)の儀式である。
左大将となった鎌倉殿が、初めて直衣を身につけ、参拝する行事だ。
ナレーションはこう続く。
――半年後 同じ場所で繰り広げられる惨劇。そのことを 彼らは まだ知らない。
そして、木陰から義時たちを睨みつける公暁のショットで「つづく」。
次回予告
次回は 第44回「審判の日」。
鎌倉殿「この鎌倉を 我ら源氏の手に取り戻す」
仲章「目障りな執権は消え…」
??「我らもすぐに挙兵する」
泰時「太郎のわがまま どうか お聞き届けください」
鎌倉殿?「すまぬ 公暁」
政子「実朝 やめて!」
泰時「これは…」
朝時?「まさか!」
義時「ここからは 修羅の道だ」
間違っていたらごめんなさい。
てんやわんやの予告だった…。
声と名前の一致が自信がない。
とりあえず挙兵というからには謀反は起きそうだ。
泰時たちも甲冑姿だったし。
何が起きたかは知っているけど、ドラマの描き方はちょっと違うかも。
クライマックス第1弾といったところか。
楽しみにしておこう。
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あとがき
様々なものが押し寄せ、次回はあるひとつの決着を見る。
残すところ、あと数回。
振り返るのはちょっと早いけど、1年なんてあっという間だね。
あと数回を、思いっきり楽しみたい。
まずは次回。
どんな風に描かれるのか、嫌でも期待が高まる。
一緒に楽しみましょう。
それではまた。
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