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山姥の戯言日記

うつ病 解離性障害 セルフネグレクト 骨粗鬆症の闘病・雑記ブログ「私の場合」

昨夜の地震と『ペペロンチーノ』などの震災ドラマ3作品

 

今週のお題「祝日なのに…」また暗くなってからの地震

 

海辺と花を持った女性

 

昨日20日春分の日

そして地下鉄サリン事件から26年目の日でもあった。

本来なら、ニュース番組でこちらを大きく取り上げたのだろうが、先月の福島沖地震に続き、またしても東北地方で大きな地震が発生した。

 

 

一時は津波注意報も発令された。

うちの多くの親戚はその地域に住んでいる。

 

津波注意報は解除されたが、今後の雨による土砂災害など警戒はまだ必要である。

お題と無理矢理つなげてみたけど、話の筋が逸れるかも。 

 

  

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流星群の夜

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NHKドラマ『ペペロンチーノ』と『あなたのそばで明日が笑う』

 

録画していたNHKドラマ『ペペロンチーノ』を観ることができた。

主演は草彅剛さん、妻役は吉田羊さんである。

 

先日、綾瀬はるかさんが主演の同局ドラマ『あなたのそばで明日が笑う』も拝見したが、設定やテーマが似ていると感じた。

かたや妻が津波で行方不明になった夫、かたや夫を津波で流され、行方不明のまま待ち続ける妻が主人公である。

念のため、批判ではないことを予め申し上げておく。

 

ストーリーや方向性は違うのだが、両者に共通するメッセージがあった。

 

ー 前に進まなくてもいい。受け入れなくてもいい。

 

『ペペロンチーノ』では、夫はずっと妻がそばにいると信じ続けていて、頭では理解していても、(映像では)亡くなった妻が常に夫と一緒にいるのだ。 

受け入れられないものは受け入れなくてもいいと言われている気がして、少し気持ちが軽くなった。

 

『あなたのそばで明日は笑う』で取り残された妻は、夫の死を受け入れられず、墓参りに行くこともできないし、大きくなった息子に父親の話をしてあげることもできない。

 

なんだろう。

10年目を節目として、前向きに明るく生きろというお節介ドラマかと思ったが、どちらもまったく違ったのだ。

 

時間だけは、無情にあの日から離れていく。 

草彅剛さんはレストラン、綾瀬はるかさんは本屋と、どちらも震災前の店を再建するが、それは連れ添った人の死を受け入れるのとは別の話。

 

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草彅剛さん演じる夫は、妻が常にそばにいることを意識しつつ、これからも生きる続けるのだろう。

 

綾瀬はるかさん演じる妻は、義母や息子と初めて墓参りに行くが、合掌しようとしても手を合わせられず、謝りながらポロポロ泣き始めてしまう。

気持ちがダイレクトに伝わってくるシーンだった。

そしてラスト近くにこんな台詞を言う。

 

「後ろ向きに、前に進んじゃダメですか?」

 

録画していないので確認できないが、確かにそんなようなことを言った。

それ、前に私がブログで言った台詞……全然いいんだけどね。

綾瀬はるかさんも同じ思いだなんて嬉し過ぎるくらいだもの。(役だよ役) 

 

震災に関するドラマを作成するにあたり、NHKは被災者を傷つけないようにと相当配慮したことだろう。

2つのドラマの設定が似てしまったことも、その苦心の様が窺えるし、仕方のないことだと思う。

 

復興は現在進行形、もっとリアルで悲惨な現実を描くには早過ぎる。

 

「俺は被災者じゃない。俺は料理人です!」

 

『ペペロンチーノ』で1番印象に残った言葉だ。

妻も店も失い、アルコール依存症にまで陥った主人公が、料理人として店を持つまでに立ち直ったからこそ言える台詞。

 

世話になった人を店に集め、彼は妻への思いを打ち明ける。

妻がもういないのはわかっている、でもここにいるのだと。

自分がアルコールを飲んで一区切りをつけてしまったら、彼女はいなくなる気がするのだと。

 

「いねぐても いる。いるもんは いる」

 

立ち直るきっかけをくれた若い漁師が、いち早く理解を示す。

彼は初めて出会った時、たくさんの仲間が死んでしまい、自分には彼らの分まで楽しむ義務があると言っていた。

 

夫を亡くした同級生の美容師は、あの日のことを聞くのも話すのもまだ無理だと言っていたが、「いなくてもいる」妻の席でワインを注いでくれた。

 

厳密に言うと、ファンタジードラマになるのだろうか。

 

どちらもリアリティを追求するより、主人公の心に寄り添い、ふんわりしたあたたかさを残すドラマだった。

この時期は、まだこれくらいがちょうどいい。

どちらのドラマも観てよかった。

 

久々に見た矢田亜希子さんはやっぱり綺麗だった。

遅ればせながら草彅剛さん、ブルーリボン賞おめでとうございました

 

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実は『星影のワルツ』も観ていた

 

こちらもNHKドラマ、遠藤憲一さん主演。

自宅で妻と一緒に津波に流されるが、自分だけ助かり、屋根の上で3日くらい漂流するドラマである。

こちらも録画していないので、細かい部分は間違うかもしれない。

 

当時の主人公は60代後半の設定。

妻の言う通りにすぐに逃げていれば2人とも助かったのに、彼は家の片付けを始めてしまったのだ。

避難する準備を終えた瞬間、堤防を越えて押し寄せる波が目に入る。

もう逃げられないと、しっかりと抱きしめ合う2人。

目を閉じた妻が観念したかのように『星影のワルツ』を歌い始める。

 

私がこのドラマを見るきっかけになったのは、このタイトルである。

大好きな祖母との数少ない思い出の中で、祖母が歌って私に教えてくれた曲。

私にとっては宝箱の奥に厳重に隠し、誰にも見つからないようにしまっておいた思い出だ。

 

千昌夫さんが23歳の時に歌って大ヒットした曲らしい。

60代後半ならリアルタイムでご存知だろう。

  


星影のワルツ 千昌夫

 

星影のワルツ

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毎日、祖母と一緒に駄菓子屋におやつを買いに行っていて、手を繋いで歩いている時はずっとこの歌を歌っていた。

大人になってから、祖母の人生に重なる歌だと知るが、祖母は既に故人。

 

この曲がドラマの中でどのように使われるのか興味があった。

 

やはりドラマに合った部分の歌詞だけが使われていた。

妻が好んで鼻歌で歌い、つられるように夫も一緒に歌い出す。

海上で孤立した夫の回想場面で何気ない日常の幸せが描かれ、寒い海の上、夫は妻を思い口ずさむ。

 

自分を責め、何度も挫けそうになるが、彼の生命力は真っすぐで美しかった。

とても素直に人間らしいのである。

遠藤憲一さんという役者の力でもあるだろう。

 

ラストはやはり、せつなくもあたたかい雰囲気だった。

歌の意味合いが違ったので、私の祖母との思い出も損なわれることもなく。

 

3作品とも素晴らしかった。

NHKさん、ありがとう。

 

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あとがき

 

前に進めていない人、まだ前向きになれない人は大勢いる。

個人的に思うのは、震災に限らず、大切な人を失った人には少なからず共感できるドラマだったのではということ。 

 

震災にはかなりブラックな側面もあるのだけど、さすがにドラマにできるようなものではない。

それに被災者といえば津波被害を受けた人たちで括られ、食糧の配給も受けられなかった在宅避難者にスポットが当たることはまずない。

避難所にいないと食事にありつけないので、わざわざ避難所生活を選択した人々も多かった。

地域のコミュニティから外れることを恐れた人たちも大多数存在する。

 

あとがきが長くなってしまった。

他人事ではないということを常に胸にとどめ置こう。

それではまた。

 

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