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山姥の戯言日記

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『麒麟がくる』40回 松永久秀の一貫した魅力と光秀愛

 

松永久秀の平蜘蛛」感想 誇り高き戦国武将の豪快な最期

 

真冬の朝焼け

 

今回の主要なキャスト

 

明智十兵衛光秀 長谷川博己さん

熙子 木村文乃さん

織田信長 染谷将太さん

帰蝶 川口春奈さん

松永久秀 吉田剛太郎さん

羽柴秀吉 佐々木蔵之介さん

織田信忠 井上瑞稀さん

佐久間信盛 金子ノブアキさん

細川藤孝 眞島秀和さん

細川忠興 望月歩さん

三条西実澄 石橋蓮司さん

伊呂波太夫 尾野真千子さん

 門脇麦さん 

たま 芦田愛菜さん

 

いやぁ……はは……しばらく言葉が出なかった。

 

平蜘蛛(ひらぐも)、生き残ったね。

生き残って光秀の手に渡っちゃったよ、おい。

これ、どう回収すんの…?

 

信長は元々クレイジーだけど、光秀も帰蝶もどうした?

 

では詳しい感想は本文で。

 

 

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砂の曼陀羅: サマンサラ

砂の曼陀羅: サマンサラ

 
砂曼陀羅 中編: サマンサラ 

砂曼陀羅 中編: サマンサラ 

 
砂の曼陀羅: 後編

砂の曼陀羅: 後編

 

 

人物像と現状を整理してみる

 

ちょっと今回は暑苦しく語る。

とても冷静になど観ていられなかった。

不思議なんだけどね、松永久秀だけが最期まで松永久秀で、他の人物が皆変ってしまったように感じたのだ。

 

そこで、ちょっと整理したい。

 

光秀は最愛の妻・熙子(ひろこ)を失った。

光秀にとっては想像以上のダメージだった模様。

熙子の切った爪を小箱に入れて、耳元で動かして微笑むくらい、その音すら愛しく思っている。

家では無口だったのによく喋るようになったと、空虚で孤独な心情は娘のたまにすら伝わるほど。

 

そのたまの縁談を信長に決められた。

相手は親友である細川藤孝の嫡男・忠興である。

信長の心配りが感じられるし、本当なら取り繕っても喜び、主君に礼を言うところだろう。

だが十兵衛はどこまでも十兵衛

表情は浮かないまま。

 

ここまではいい。

平蜘蛛の嘘の件は後ほど語る。

 

そして、孤独といえば信長だ。

武士では最高位まで上り詰めたのに、なんにも満たされていない。

だから言ったじゃないか。

信長はずーっと飢え続ける人生なんだよ。

「自分が人々を喜ばせている」という喜びを与え続けなくちゃならない。

 

それを上手く与え続けてコントロールしてきたのが帰蝶のはずなんだ。

諸事情あって出番が極端に少なくなったことは承知している。

だから、信長が調子がいいうちは、帰蝶内助の功がそうさせているのだと想像力で補ってきた。

 

でも今回の信長の見捨て方は唐突過ぎる

帰蝶なりの悩みや葛藤の描写が充分でなかったため、夫が1番苦しんでいる時に離れるなど共感できるわけがない。

 

 

美しい川口春奈さん、帰蝶は適役だけれど、どこか戸惑いを感じているように思えるコメント。

自分がいなければ上手くいくかも、なんてのは並みの人間の思考回路であって、帰蝶は軍師さながらの聡明で勇敢な意志の持ち主だったはず。

 

帰蝶も人間だから、光秀が相手なら人並みに弱音を吐くこともあろう。

しかしだ、だがしかし。

 

人の弱さにはいくらでも共感できるが、帰蝶を信長から離してはいかんだろう。

どうしても離したいならもっと丁寧に描いて欲しかった。

川口春奈さんは好きだけど、責任感があるが故の行動というより、責任を放棄して光秀に丸投げしたようにしか見えなかった。

まさか本能寺にも帰蝶がいない大河ドラマにする気か?

 

もう一つ一つが本能寺に直結する段階に入っている。

帰蝶がまた美濃から戻る機会はありや、なしや。

 

まあ、冷静に考えればないわけないな。

 

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松永久秀の豪快な最期

 

燃え盛る炎の中、立ったままでの切腹

これ考えた人、天才。

 

期待を裏切らないド派手な最期だった。

久々に、このドラマに芸術性を感じた

足利義輝向井理さん)の最期以来かな。

 

 

吉田剛太郎さんのコメントが真面目な意味で面白い。

信長を見据えての咆哮…確かにそう見えた。

 

光秀への思いは一貫している。

光秀の久秀への思いも。

2人のやり取りはいつも面白く、見応えがあった。

 

久秀と戦いたくないと泣く光秀は、本当に初回の若造・光秀みたいだったし。

光秀にそこまで慕われていた魅力的な久秀。

 

こんな松永久秀にはもう会うことはないかもしれない。

 

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松永久秀の平蜘蛛は本能寺へのアイテムに?

 

 

さて、今回は最期を迎えなかった平蜘蛛の話。

 

 

これは自分だと言って光秀に平蜘蛛を見せる久秀。

信長にはやらないが十兵衛にならやってもよい、とも。

 

光秀の涙の説得には頷かず、久秀は伊呂波太夫に平蜘蛛を預ける。

久秀が戦に勝ったら久秀に戻し、負けたら光秀に渡してもらうために。

久秀に勝つ見込みがあったとは思えない。

十中八九、光秀に渡すことが目的だったのではないか。

 

久秀亡き後、信長は光秀に平蜘蛛の行方を問う。

伊呂波太夫のもとで久秀と会っていた事実を突きつけられても、光秀は知らぬふりを通した。

 

 

染谷将太さんのコメントのように、信長は知っていて尋ねたのだ。

とすると、泣いていたのはこのせいかな?

 

「初めて嘘をつきおった…十兵衛が!」

 

光秀が退室した後、衝撃と怒りに静かに震える信長。

 

そして、こちらのお方は。

 

佐々木蔵之介さんの仰る通りなんだけど、前回の感想記事を読まれたような気がしてドキッとしてしまった。(んなわけない)

でも「あわよくば」的な気持ちはあるんじゃな~い?

 

それは置いといて、明智邸を伊呂波太夫が訪ねる。

久秀から預かった平蜘蛛を光秀に渡すために。

 

平蜘蛛を前に、光秀は城での信長との会話を振り返る。

喉元まで出かかったのに、平蜘蛛の行方を知っているとは言えなかったと。

言えば楽になれたのになぜ、と自問自答。

 

松永久秀の罠じゃ」

 

混乱気味に言って笑う光秀。

久秀の思い入れを受け取ったからだよ、きっと。

信長が、それを帳消しにしてまで平蜘蛛を渡せる主君か、光秀の中に迷いがあるのだと思う。

そんなこんなで、こちらもメンタル崩壊寸前。

 

そんな光秀に、太夫は遺言とも言うべき久秀の言葉を伝える。

 

「これほどの名物を持つ者は それだけの覚悟がいると」

 

「いかなる折も 誇りを失わぬ者。志高き者。心美しき者。わしは その覚悟を どこかに置き忘れてしもうたと」

 

「十兵衛にそう申し伝えてくれ……そのように」

 

笑い呆けていた光秀は太夫の言葉で正気に戻る。(ホッ…)

 

 

尾野真千子さん、確かに目が潤んでいた。

 

シャキッとした光秀が帝に拝謁する決心をしたところで「つづく」。

 

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細川藤孝の嫡男と信長の嫡男と広すぎる広間

 

今回は書きたいことから書いたので、順番通りではない。

他にも拾っておきたいエピソードがあった。

 

細川藤孝が、光秀に嫡男の忠興を紹介していた。

信長がたまと忠興の結婚を決める前に。

忠興は既に戦で活躍しているらしく、光秀が褒めていた。

忠興も爽やかさ満点の挨拶を。

 

私が気になったのは光秀と藤孝の距離感。

ソーシャルディスタンスじゃなくて心のね。

信長に寝返って以来…というか、異母兄の三渕藤英谷原章介さん)が切腹してからも、ちゃんと親友でいるのだろうか。

後々袂を分かつことは承知しているが、もう以前とは違う雰囲気があるような、ないような。

考え過ぎかも。

 

あと光秀の幼い嫡男の十五郎(石塚陸翔さん)。

今回は登場しなかったけど、赤ちゃんの頃からなら2回は出てるよね?

でも光秀とのコミュニケーションはまだ見られず。

これ、最後にドーンとくるパターンかな。

「幼き頃、父より聞いた話がございます」とかって。

 

そして嫡男3人目は織田信忠

 

井上瑞稀さんの若き総大将っぷり、凛々しくて立派だったけど、テストではそんなこと言われてたのね。

もっとふてぶてしくても大丈夫よ。

 

最後に私も同感だったこちらを。

 

染谷将太さん、表情がよく見えないくらい遠いって…笑ってしまったよ。

声も張らなきゃ聞こえないだろうね。

でも信長が作らせたんだからしょうがない。

 

  

信長が何かを怖がっていると帰蝶が言っていたけど、暴走してあんな広すぎる広間を作らせてしまった自分が怖いというオチなら面白いのに…。

真面目に考えると、帰蝶が言ったようなことで合っているんだろうと思う。

高みまで上ってみたものの、予想していた景色とは大違いだったんだろう。

 

安土城を建てれば皆が喜ぶと思っていたのに帰蝶に去られ、頼りにしていた光秀には初めて嘘をつかれた。

信長の暴走を止められる者はもういない。

 

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次回予告とあとがき

 

次回は第41回「月にのぼる者」

 

実澄「信長殿の様子が 以前とは変わってきておる」

光秀「男は 花を全て木からふるい落として 独り占めにしようとしたところ 神の怒りに触れたと」

「そして 不老不死のまま あの月へ閉じ込められた……信長はどうか?」

 

3人しか喋っていなくてとっても楽だった。

月にいるのはかぐや姫だけではないようである。

 

それより画面が目まぐるしく変わった。

婚礼に向かう花嫁衣裳のたま、義昭再登場(?)、近衛前久復帰、何やら暗躍していそうな秀吉のニヤリ、そして気になる菊丸の大立ち回り。

大立ち回りといっても、菊丸を捕えようとする者たちから逃げる途中のようだった。

家康も動くか。

動くよね、そりゃ。

 

で、帝の正親町天皇への光秀の拝謁だけど、これまでの傾向だと前半の早い段階に持ってくると予想。

予想を裏切ってクライマックスに持ってきてくれてもいいんだけどね。

ただ前半だと光秀にヒントを与えて熟慮させる余裕を持たせる形、クライマックスだと本能寺への後押しになってしまう気がするのだ。

 

坂東玉三郎さん演じる帝に後者は似合わない。

と、勝手に思う次第。

 

予告に関しては以上。

 

最後に今回の総括!

  • 松永久秀を魅力たっぷりな人物に描いた制作陣、お見事!
  • 吉田剛太郎さんの演技も素晴らしかった
  • 光秀と久秀の絆の強さよ
  • 帰蝶、本能寺までには戻ってきてね
  • 平蜘蛛欲しさより、光秀が嘘をついた衝撃が勝る信長
  • 気になる十五郎の存在感の薄さ
  • 左馬之助をもっと出してくれ、明智光安の嫡男だぞ!

 

平蜘蛛を遺し、意味を持たせた演出には本当に恐れ入った。

 

脚本家さんのインタビューはこちら。

 

実は私は拝見していない。

ドラマを観たままの自分の感想を書きたかったからである。

先に拝見してしまえば、少なからず影響を受けた感想になってしまうだろう。

 

役者さんのコメントにはそういう部分がほぼないので、感想とともに公式Twitterより掲載させていただいている。

 

残りわずか。

しっかりと見届けたい。

それではまた。

 

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