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山姥の戯言日記

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『麒麟がくる』37回 室町幕府滅亡 信長の新時代到来

 

第37回「信長公と蘭奢待」感想 それぞれの訣別と涙

 

杉林

 

今回の主要なキャスト

明智十兵衛光秀 長谷川博己さん

織田信長 染谷将太さん

木下藤吉郎 佐々木蔵之介さん

細川藤孝 眞島秀和さん

佐久間信盛 金子ノブアキさん

足利義昭 滝藤賢一さん

三渕藤英 谷原章介さん

正親町天皇(帝) 坂東玉三郎さん

三条西実澄 石橋蓮司さん

朝倉義景 ユースケ・サンタマリアさん

山崎吉家 榎本孝明さん

朝倉景鏡 手塚とおるさん

武田信玄 石橋凌さん

今井宗久 陣内孝則さん

菊丸 岡村隆さん

望月東庵 堺正章さん

 門脇麦さん

なか 銀粉蝶さん

 

足利幕府の終焉を観た。

人間ドラマとして。

 

それにしても織田信長…。

詳しい感想は本文で。

 

 

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藤吉郎の闇深さと藤英・藤孝兄弟の悲哀 

 

京へ進軍していた武田信玄の軍勢は引き返し、将軍・足利義昭はあっさりと木下藤吉郎に捕らえられた。

 

 

義昭と明智十兵衛光秀は無言で見つめ合うだけだったが、確かに義昭の表情には憎しみも嫌悪もなかった。

 

それより藤吉郎である。

 

「ご覧あれ 明智殿。皆が 武士の棟梁とあがめ奉った将軍様が このざまじゃ」

 

「これからは 我らの世でござる。我らの

 

義昭に草履すら履かせない藤吉郎、そして光秀に皮肉な視線を送る藤吉郎。

とにかく光秀を見る眼が冷めているのだ。

並々ならぬ闇の深さを感じる。

 

義昭に仕えていた三渕藤英も投降し、信長側についていた弟の細川藤孝より、沙汰を申し伝えられる。

 

この辺りは観ていて胸が苦しくなった。

見守っていた光秀も同様かと察する。

 

藤孝が兄が無事であったことを喜ぶと、自分が知らぬ間に信長に寝帰っていた弟に怒りを爆発させる藤英。

大きな時の流れが見えるらしい藤孝は、至って穏やかでクールな返しを。

 

でも、悲しみの涙を浮かべた兄の悔しそうな表情を見て、話を切り上げる。

去り際に何か言いたげに足を止めた藤孝だったが、言葉が発せられることはなかった。

 

 

この眞島秀和さんのコメントは是非読んでいただきたい。

グッとくる眞島秀和さんにグッとくること間違いなし。

 

信長からの沙汰は、まだ籠城して残っている敵を兄弟で攻め滅ぼせというものだった。

温情に満ちた沙汰だが、藤英が喜ぶはずもない。

 

「十兵衛殿 わしは負け そなたは勝った」

 

ひとり残った光秀に、藤英は胸の内を明かす。

自分は二条城で討ち死にする覚悟だったが、義昭の命を助けてもらえるかどうかが気にかかり、投降する旨の説得に応じたのだと。 

 

 

谷原章介のコメントも是非ご覧いただきたい。

本当は涙を流したくなかったと…。

 

光秀は苦しそうに聞き入り、立ち上がって藤英の側へ。

 

「私と三渕様の間に 勝ちも負けもございませぬ。あるのは 紙一重の立場の違い」 

  

紙一重の立場の違い……絶妙な表現だと思った。

 

自分のために力を貸してくれと頭を下げる光秀。

藤英がいまだ敵と思っている信長のためでもなく、裏切られた形になった弟のためでもなく、自分のためにと。

 

失うにはあまりにも惜しい存在。

それを伝えるには、最善の言い回しだったのかもしれない。

 

決定的な場面はなかったものの、光秀はもう信長の家臣なのだど思い知った場面でもあった。

 

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菊丸となかと涙の駒

 

菊丸が隠れ家で仲間に戦況を伝える。

織田が朝倉・浅井を討たねば三河も危ういと。

織田が動けぬのは背後に武田がいるからだと言い、何やら文をしたためる。

 

「病死」

 

という文字が見て取れた。

武田信玄の突然死のことだろう。

その文を光秀に渡すよう配下の者に託す菊丸。

 

文はすぐに光秀に届けられ、菊丸はを訪ねて望月東庵先生のもとへ。

駒が留守の代わりに、鍼(はり)を打ってもらいになかが来ていた。

会話中にその名を聞き、藤吉郎の母だと気づいた様子の菊丸。

 

それにしてもメリハリのあるキャラクターのなか様。

菊丸もだけど、もっと出てほしいと思った。

 

一方、駒は宇治の枇杷びわのしょう)にいる義昭のもとを訪れていた。

 

「では 将軍をおやめください」

 

捕らえられても尚、信長を討つことを考えている義昭に、駒の言葉は届かない。

もはや無言で涙するだけの駒。

 

「わしは駒を 欺いてしもうたのかもしれぬな」

 

泣き笑いの優しい表情で言い、義昭はまた背を向けた。

なんとなく、2人のシーンはこれが最後のような雰囲気。

 

 

門脇麦さんと滝藤賢一さんの対談で、このシーンについて語られている。

是非ご一読を。

  

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朝倉家滅亡 信長の新時代到来 

 

信長は改元を言上、元号は「天正」と改められた。

光秀から信玄が死んだという噂を聞き、 更に浅井の重臣が寝返ったと知り、近江への織田軍進行が始まる。

 

同じ頃に朝倉義景も挙兵し、織田軍と朝倉・浅井軍の戦が繰り広げられた。

朝倉家の家老・山崎吉家は織田軍の奇襲により討ち死に。

勢いに乗った織田軍は朝倉家の本拠地、一乗谷にまで迫っていた。

 

追い詰められた義景に更なる不運が。

いとこであり重臣朝倉景鏡(かげあきら)が寝返ったのである。

 

ここの2人のやり取りも見応えがあった。

どこまでも誇り高き大名の義景と、小馬鹿にするような景鏡の豹変ぶり。

 

義景は身内の裏切りにより命を落とし、浅井もまた滅びた。

 

 

 

手塚とおるさんとユースケ・サンタマリアさん、それぞれのコメントである。

合わせ鏡という手塚とおるさんの解釈と表現が興味深い。

ユースケ・サンタマリアさんも役柄と真摯に向き合いながら、コメントでは常にユーモアも忘れず、改めてすごい役者さんだと思った。

 

残念なのは、山崎吉家の出番が少なかったこと。

光秀が越前にいる間に、もっと絡みがあるものとばかり思っていたが…。

 

ともあれ足利幕府は倒れ、信長の世が始まろうとしていた。

 

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蘭奢待(らんじゃたい)を所望の信長

  

 

蘭奢待についてはこちらで解説されている。

 

大きくて立派な伽羅(きゃら)の香木らしい。

ただ立派なだけでなく、選ばれし者だけが拝見し、刻むことを許されるという権力の象徴でもあるようだ。

 

今井宗久は、信長は京の周りに敵なし、1つの山の頂に立ったと評する。

 

「そういうお方なればこそ 見たい景色があるということなのでしょう」

 

対して光秀は、今は今後の国造りを熟慮すべき段階で、まだ山の中腹、頂は遠いと返す。

 

宗久は得心しつつ、信長は自分の値打ちを知りたがっていると推測する。

人の値打ちは目に見えない、だから見える形で知りたいのではと。

 

「見る景色が変われば 人もまた変わるとか…」

 

さすが茶の道の達人、人の心を読む能力にも長けている。

 

昔は人に喜ばれるだけで満足していた信長だが、今はもっと具体的なものを求めるようになった。

心が満たされるハードルはどんどん高くなっている。

一旦、心が満たされてもすぐに飢え、信長はもっともっとと求め続けるのだろう。

 

場は内裏へ。

三条西実澄が、明日、信長が従五位下に叙され、昇殿が許される運びになったと正親町天皇(帝)に報告する。

 

え? と思った私。

足しげく帝に会いに来ていた信長は、まだ昇殿が許される位になかったということだ。

特例措置か何か?

帝が許せば光秀さえ声を聴くことができたくらいだから、帝は信長の拝謁もずっと認め続けてきたことになる。

 

しかし、信長が蘭奢待の切り取りを所望と聞き、実澄の顔色が変わる。

しかるべき者がしかるべき手順を踏んでやっとかなうものを、これほど急に申し出るとは不遜な仕儀であると。

でも帝が許すなら、やむを得ない……帝は許したようである。

 

東大寺正倉院

110年ぶりに運び出されたという蘭奢待が、ついに信長の目の前に。

刻む音を聴きつつ、恍惚と目を閉じ天を仰ぐ信長。

 

 

染谷将太さんのコメント、高揚感は充分に伝わった。

でも帝に喜んでもらうつもりの仕儀は、まさに大きな勘違いだったようだ。

 

2つの香木の欠片のうち、1つを帝に献上した信長。

 

「ちんが喜ぶと思うたのであろうか? 信長は」

 

よくわからないが、信長のしたことはどんでもなく無礼なことらしい。

帝の声音も話し方もいつも通りなのに、どこか憤りを含んでいるように感じた。

 

毛利輝元蘭奢待を所望と関白に申し出ているとか。

これを毛利に贈れと申し渡され、うろたえる実澄。

 

「しかし 毛利は 目下…信長と にらみ合うている間柄…」

 

「それは ちんのあずかり知らぬこと。毛利に贈ってやれ」

 

「は……」

 

織田信長 よくよくの変わり者よのう」

 

なんとなく、帝が信長を見放しつつあるように思えた。

 

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家臣の器

 

同じ頃、信長の軍門に下った藤英は、光秀の坂本城に預けられていた。

光秀の説明によると、1年の間、信長の命で幾多の働きを見せた藤英が、信長に居城をいきなり取り壊されてしまったのだとか。

 

なんということをするんだ、信長は…。

 

「信長様のお考え 時に計りかねることがございます」

 

「主(あるじ)とは そういうもの。その時にこそ どう付き従うか…そこが家臣の器」

 

「家臣の器…」

 

「もはや 古い考えかもしれぬが」

 

坂本城はいい城だと言い、儚げな笑みで湖を眺める藤英。

 

なぜ1年も経ってから取り壊す?

藤英の働きっぷりが見事過ぎて力を削ぎたかったのか?

信長にとっても何の得にもならぬだろうに。

 

と、思っているうちに「つづく」。

 

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次回予告とあとがき

 

次回は第38回「丹波攻略命令」

信長丹波を押さえ込め!」

光秀丹波を?」

信長丹波じゃ」

前久?「信長がいよいよ この丹波に攻め寄せるのじゃな?」

菊丸丹波は難しい国でございますよ」

伊呂波太夫「敵ばかりですよ」

正親町天皇「信長はどうか?」

光秀「どうだ?」

親王「容赦はせぬぞ」

たま「父上!」

光秀「これが 信長様が下されたご判断か」

前久?「一に戦 二に戦。まず戦じゃ」

利三?明智様が ご主君なら いかなる戦にでも 身を投げうつことができる」

 

?ばかりで申し訳ない。

映っても一瞬で、台詞を言っている人と関係ない場面が流れいることもあり、間違いがあるかもしれない。

前回も押し殺した菊丸の声を家康と勘違いしてしまったし。

稲葉良通(村田雄浩)さんが笑っていて、加藤清史郎さん、芦田愛菜さんなど新キャストも登場のようだ。

切腹していたのが誰か気になる…藤英じゃないよね? ね?

 

予告は以上。

 

続いて今回の総括!

  • 藤吉郎、陰湿さを隠さなくなった?
  • 光秀の甲冑姿はやっぱりカッコいい
  • 藤英・藤孝兄弟の間にヒビが
  • そういえば光秀、さり気なく信長の家臣になったね
  • 信玄の死を光秀に知らせる菊丸、さすがの働き
  • でも駒を訪ねた用件は?
  • メリハリの効いたなか様
  • 駒と義昭、涙の訣別(に見えた)
  • 吉家討ち死に(榎本孝明さんのもったいない扱い)
  • 義景、いとこの景鏡に裏切られ朝倉氏滅亡
  • 信長の心理分析が見事な宗久
  • 調子に乗り気味の信長が所望の蘭奢待
  • 説明されてもありがたみがイマイチ不明な蘭奢待
  • やっちゃった感満載の信長が帝に贈った蘭奢待
  • 毛利に贈られることになった蘭奢待
  • 信長に冷遇される不憫な藤英

 

今回はとにかく蘭奢待に振り回された。

今でも東大寺に保管されている歴史遺産としての価値ならわかる。

でも、当時のありがたみや、帝に贈るのが失礼な仕儀であることは、役者さんたちの演技によってしか伝わらなかった。

頭が悪くてごめんなさいね。

 

それより前回に引き続き「訣別」が多かったなという印象。

藤藤兄弟、駒と義昭、義景と景鏡、もしかしたら帝と信長も? なんて思ったりもして。

光秀にとっても苦しく、迷いのある回だった。

 

次回は新キャスト登場もあり、楽しみである。

それではまた。

 

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