HSPとうつ病の関連性についての疑問と自論
まず、今回取り上げるHSPとは、遺伝性痙性対麻痺(Hereditary Spastic Paraplegia)という疾患ではなく、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)であることをお断りしておく。
最近、メディアで取り上げることが多くなってきたので、既にご存知の方も多いだろう。
広く知れ渡ったことによる弊害も起こり始めていることから、HSPに関する記事を記すことにした。
ご存知ではなかった人はもちろん、もう知っているという人にも理解が十分であるかを再確認していただけると嬉しい。
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HSPってなに? うつ病との関連は?
序文でも述べた通り、HSPとはハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person)を頭文字で表したものである。
ハイリー・センシティブという言葉通り、非常に繊細で敏感で、高い感受性処理能力を持つ気質のことを表す。
しかし、あくまで気質であって、HSPは決して病気ではない。
HSPを、まるでうつ病予備軍であるような表現をするニュース記事を目にし、私は疑問を抱いた。
確かに気質から考えるとうつ病になる人もいるだろうが、HSPでなくてもうつ病になる人はなるのである。
現在の世の中を見渡してほしい。
痛ましくも自殺は増加傾向にあり、「コロナうつ」という言葉も生まれて対策が講じられているほどだ。
今やうつ病は国民病と言ってもいいだろう。
この国難に際し、HSPの延長上にうつ病があると安直に決めつけるのはいかがなものかと思うのだ。
医療従事者、患者や家族への偏見や差別も取り沙汰されているし、不要不急の外出の自粛が続いた頃は、家族それぞれ(統計によると女性が多い)がストレスを感じるようになった。
心身ともに健康であった人も追い詰められているのである。
そういう人たちこそ、経験したことのない絶望に支配されるがままに死を決断してしまう。
少しでも自分の心の動きに違和感を抱いたら、早めに相談窓口で話を聞いてもらおう。
以前、相談窓口を紹介した記事である。
思い詰めてどうにもならなくなる前に、まずは話を聞いてもらおう。
ちょっと話題が逸れたが、HSPは気質の問題で、必ずうつ病になるわけではないというこは理解していただきたい。
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HSP診断ってどうやるの?
まずはHSPの提唱者であるエレイン・N・アーロン博士の著書を紹介。
博士の許可を得て、日本で独自に運営しているサイトがある。
セルフテストのページはこちら。
27問のうち14問以上当てはまれば、おそらくHSPであると思われると記されている。
私は24あった。
ただし、少ないからといってHSPではないとは言い切れないと博士は述べている。
問題は一つ一つの度合いの深さであると。
そして、こちらは以前、ウサキさんに教えていただいたサイト。
この診断であなたのHSP(Highly Sensitive Person)の度合いを知ることができます。
HSPは病気ではありません。
繊細な自分を知ることで、自分や世界の見方を変えることができます。
引用元: https://hsptest.jp/
結果にはスコアが出る。
更に「強」や「中」の度合いに解説文つきで、答え終えるとすぐに表示される。
私の結果はこちら。
『#HSP診断テスト - 選ぶだけの簡単セルフチェック』 https://t.co/wuxKoPx0mf #HSP
— やまうば@メンヘラブロガー (@Ukq1P) 2020年10月30日
ご覧のような結果に。
まあ、想定内である。
非常に強いHSPの可能性があります。他の人に比べ困難な点が多くあると思いますがその反面、他の人よりも優れた点が多くあります。世界に必要な才能を備えているあなたは自分に自信を持った生き方をし、そして疲れた時は休息をとりましょう。
重めのうつ病だから当然の結果。
逆説的に言うと、うつ病患者はほぼHSP認定を受けるものと私は思っている。
解説の後半の「優れた点」とか「才能」という言葉は真に受けてはいない。
生きづらさを抱きつつ毎日を過ごすHSPの人たちへの言葉であり、うつ病患者を想定してはいないと思うからだ。
HSPだからうつ病になるのではなく、うつ病患者の状態がHSPに当てはまるのだ。
私はそう考える。
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HSPが知れ渡るようになってからの弊害
前述の通り、HSPは病気ではないので病院で診断されるものではなく、治療を受けるものでもない。
不眠などの睡眠障害、極度の不安によるパニック障害、体調不良などがある場合は別であるが。
弊害として例を挙げるが、どれも本人がHSPをしっかり理解していない、もしくは本人がそう思い込んでいるだけでは? というものもある。
あるツイートでは、職場の同僚が仕事中に突然「私、HSPですから」と言い放ったという。
単純に「気を遣え」ということか? とツイートした人は思ったそうだ。
明らかに説明不足である。
何が苦手で、何が不満なのか、ぶっきらぼうにHSP宣言をするだけでなく、同僚の理解を得られるよう説明すべきではないだろうか。
職場なのだから、誰だって少しでも気分よく仕事をしたいはずなのに。
周囲の人の気分を察することに長けていると言われているHSP。
そのポイントに該当しない人なのかもしれないが、周囲の戸惑いに気づかないとは、そもそも本当にHSPなのか? と思った話である。
後は、自分は貴重で優れた存在なのだと優越感に浸る人たち。
心の中で思う分はいいだろう。
生きづらさを優越感に置き換え、原動力とするだけなら。
ところが中には「自分はHSPだから」と自慢げに公言し、周囲を見下す人もいるというから驚きだ。
それこそ本当にHSPなのか? と疑ってしまう。
逆に私の解釈が間違っていて、それらはHSPあるあるなのだろうかと思うほど。
うつ病であることを前面に出して記事を書いているだけで「うつ病自慢」と陰口を叩かれるのだから、そういう人たちは「HSP自慢」と言われてしまうのではないだろうか。
大きなお世話の心配でしばらく考え込んだ私であった。
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あとがき
HSPは少数派と言われてきたが、これからはどんどん増えていくだろう。
まるで流行に乗るような、あまりにも安易な「HSP診断」も出てきていることだし。
本当にしんどい思いをして、日々を過ごしている人々はどう感じるのだろうか。
繊細さや敏感さは多くの人が持っているが、HSPの人々はそれらが不快で耐えられないほど非常に強く感じているのだ。
まあ、人の心配するより自分の鬱(うつ)をどうにかしろと幻聴が聞こえてきそうなので、この辺にしておこう。
それではまた。
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