第19回「信長を暗殺せよ」感想 憂い顔の義輝と高政の孤独
明智十兵衛光秀(長谷川博己さん)の他に気になった人物
これまでの2回が濃過ぎたせいか、今回はどこかあっさり、しんみりした思いだけが残った。
京の面々が久しぶりに観られるのが楽しみだったのだが……く、暗い……。
後は感想本編で語ろう。
では目次から。
土田御前と信長 溝が深まるばかりの母子
信長の弟・信勝(木村了さん)の亡き骸にすがり、ひたすら泣き続ける土田御前。
あれだけあからさまに依怙贔屓(えこひいき)をするほど可愛がっていたのだから、その悲しみの深さもはかり知れないものだろう。
毒殺しようとした信勝が悪いとかね、もうそういう理論が通じないのが身内の愛憎。
それでも信長は、母はもう自分を頼りにするほかはないだろうと思っていたようだ。
だが、簡単にそうなるはずもなく…。
「そなたは弟を殺しただけではない。この母をも殺したのです」
信長の頬を両手で包み、土田御前はそう言って泣き崩れた。
同じシーンでの檀れいさんと染谷将太さんのコメントが、公式ツイッターにアップされていた。
まずは土田御前を演じる檀れいさん。
「信長の頬に触れるというシーンは、私から監督に提案させていただきました。自分の弟を死に追いやった信長。そのような子を生み、そのような子に育ててしまったのは自分だ。憎しみや怒りだけでなく、母・土田御前としての無念や切なさを表現できたらと思いました」(檀れい)#麒麟がくる pic.twitter.com/yDrrEeLEhC
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月24日
「弟を殺したあとなのに、母上の姿を見て、やっと自分のところに来てくれたとちょっと喜んでしまう。そこが信長の怖いところであり、ピュアな部分でもあります。そして、母上に顔を触ってもらい、同時に捨てられる。これは、今後の信長に多大な影響を与えるはずです」(染谷将太)#麒麟がくる pic.twitter.com/P7qmt0f2Nt
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月24日
檀れいさんのコメントには失礼ながら、どうしても違和感を覚えてしまう。
頬に触れるシーンはとてもよかったけど、土田御前はそんなまともに悔いるような母親とは思えない。
ただひたすら信勝が可愛く、信長を嫌悪し、憎くしみ続ける。
それが私がこのドラマの中で思う土田御前の姿だ。
単なる私個人の意見で、そう演じてほしいというような大それた話ではないぞ。
染谷将太さんのコメントは、表情から痛いほど伝わってきた。
でも、これが「今後の信長に多大な影響を与える」のか……。
なんとなく、な~んとなくよ?
本能寺への道がうっすらと見えてきた気がする。
なんにしても、互いの胸に残ったのは絶望だけだね。
帰蝶の傍で呆然と嘆く信長。
「終わった……わしは父も、弟も……母も失った……」
同じ身の上の帰蝶は、涙ぐんで静かに信長を見つめる。
彼女以上に信長を理解できる女性はいないだろう。
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憂い顔の将軍と光秀の久々の笑い声
道三の死から2年かあ。
将軍・足利義輝が京へ戻るのは5年ぶりって聞いて絶句。
しかもずっと憂い顔で家臣たちも心配そう。
京のシーンは短く、お次は越前。
浪人・光秀の寺子屋にはほのぼの~。
麒麟がくる File050
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(第19回より)#麒麟がくる #麒麟File#明智光秀 #長谷川博己 pic.twitter.com/ohkCxHHRHI
そして朝倉義景がまたファンシーな出で立ちで登場だ~。
【5/24 HP更新のお知らせ】
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月24日
<インタビュー>
ユースケ・サンタマリアが語る、
「朝倉義景を輝かせるために」#麒麟がくる #朝倉義景 #ユースケ・サンタマリアhttps://t.co/NfM4MoZhVE
ご覧のように、公式ホームページにユースケ・サンタマリアさんのインタビューが掲載されている。
インタビュー記事には上のリンクから行けるが、一応、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』公式ホームページもご紹介しておこう。今更感…。
ところで、浪人の光秀が殿様の代わりに京へ行くってアリなのか?
私は嬉しいけども。
まあ、細かいことは気にしない気にしない。
キタよキタよ、煕子(ひろこ:木村文乃さん)のおめでた報告!
すんごい久しぶりに観た光秀の晴れやかな笑顔。
そして笑い声。
いいねえ、ちゃんと夫婦感が出てるし仲良くて幸せそう。
光秀も煕子も笑い方が可愛くて好き。
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藤英・藤孝と再会 憧れの義輝様に謁見 高政(義龍)まで登場
さて、義景自慢の鷹を献上しに京へ上った光秀。
<衣装の世界10>
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月24日
明智光秀
衣装デザイナー・黒澤和子さんの解説付きで紹介します。#麒麟がくる #麒麟を作る
▼詳しく見る▼https://t.co/afIMJyaqTn pic.twitter.com/hzb46mgtBl
私が大好きな黒澤和子さんによる衣装の解説である。
確かに光秀は貧しい浪人暮らし。
京に参上する装束はどうするのだろうと心配していた。
光秀の装束は義景からのレンタルだったらしい。
細部まで緻密な表現にこだわる黒澤和子さんのお話、とても興味深いので是非ご覧いただきたい。
さて、光秀は三淵藤英(谷原章介さん)、細川藤孝兄弟とようやく再会する。
光秀と藤孝、何年会ってなくても真の友だ。
藤孝って笑うと本当に優しそうな顔になるのね。
光秀に会えてすごく嬉しそうだったし、光秀の声も高揚していた。
こちらも優しいけど、ちょっとクールな兄が、義輝が能を鑑賞する場に同道いたせと。
隠しきれない嬉しさがこみ上げる光秀。
きっと心の中では…
あ…あ、憧れの義輝様に会えるぅ~~~っ!!!
と叫んでいたに違いない。
わかり過ぎるほどにわかるよ。
浪人が将軍様と一緒に能を鑑賞するんだよ?
イエス! 大河ロマン!
あ、今のは私の叫びです。
失礼。
そして能が行われるという館で、光秀はとうとう義輝様との再会を果たす。
義輝は光秀をちゃんと憶えていた。
ちょっと待て、義輝が涙してから9年?
9年前に幼さを感じなかったせいか、全然変わらずに若いんですけど。
他のキャストに比べ、ひとりだけ変わらず若々しいんですけど。
向井理さん、怪物か。
フェイスライン完璧、顎から首へのスッとしたラインも、大人というより青年期。
さすが義輝役に抜擢されただけある。
光秀が能鑑賞を許されると、藤藤兄弟(藤英・藤孝)はアイコンタクト。
うまくいったな、という感じだろうか。
それより光秀、顔、顔。
義輝様が去る姿に目が釘づけで、思いっきりニヤケとる。
気持ちはわかる。
光秀と藤藤兄弟が廊下を歩き、義輝様に会ってハイになっている光秀に、藤孝が何か打ち明けようとした時だった。
藤英が弟の言葉を遮る。
奥から登場したのは、なんと斎藤高政であった。
こちらはまた堂々とした立派な武将ぶりに仕上がっている。
まず鋭く光秀を見つめ、声をかけた藤孝に無言で会釈をすると、再び光秀を鋭い眼光で射貫く。
緊迫の場面だが、ちょっと気づいたことがある。
武将ぶりが立派になり、目つきが鋭いのは確か。
でも明らかに荒(すさ)んでいる様子が窺える顔つき。
少し先に理由は判明するが、伊藤英明さんの役者としての底力を観た気分である。
フェイントのように一歩、光秀に迫るが、そのまま何事もなかったように去った。
藤英が言うには、今は「義龍(よしたつ)」と名乗っているとのこと。
そうして、様々な思いが交錯する中、能の鑑賞は始まった。
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義龍による信長暗殺計画が発覚
能はよく知らないのだけど、なんとも勇ましい舞い。
麒麟がくる File051
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月26日
(第19回より)#麒麟がくる #麒麟File#足利義輝 #向井理 pic.twitter.com/KtLCRW5x3p
かすかに微笑みながら堪能する義輝。
右の柱に義龍の顔がちょっと隠れてるのが残念。
光秀は左の奥にいる。
義龍が気になって、後ろからジーっと見つめる光秀。
義龍も光秀を気にしている様子だが、廊下ですれ違った時とは別人のように、どこか余裕というか柔らかさを感じる顔つきだった。
その場は何事もなく過ぎ、夜になって光秀と藤孝が酒を酌み交わしている時だった。
藤孝の家臣(密偵?)の報告により、斎藤義龍が織田信長の暗殺を企てていることが発覚する。
光秀は顔色を変え、何か手を打たねばと焦る。
そこで光秀が知る新事実。
藤孝が言うには、義輝にはまだ将軍としての力は戻っていないと。
上洛の命に従った大名が少なかったことからも察しがつくことだ。
信長は死なせるには惜しい人物との光秀の力説に、藤孝は松永久秀を頼ってはどうかと提案。
今、京を治めているのは秀久であると。
おそらく翌日だろう。
早速、秀久に会いに行く光秀。
こちらは11年ぶりの再会で、秀久もいい感じに歳を重ねている。
あのギラギラした切れ味鋭い豪胆さは内に秘めているのだろうが、見た感じは気さくで優しいおじ様といった風情。
京を治める陰の人物としての、底知れぬ非情な賢人の空気をまとっていた。
道三を崇拝していた秀久は、光秀に悲しげに弔いの言葉を述べた。
道三と秀久が一緒のシーンはなく、一度は観てみたかったシーンでもある。
でもそれには歴史を塗り替えらなければならないので無理な話。
光秀は秀久に例の件を話し、阻止の働きかけを頼む。
直接、秀久は義龍を訪ねた。
遠まわしではあるが、義龍の陰謀と心得た上でたしなめるように話す秀久。
釘を刺された義龍もまた、久秀の真意を理解したようだった。
それが証拠に、帰ってきた久秀は光秀に、義龍が呼んでいると伝える。
話がある、と。
戸惑いを隠せない光秀であった。
義龍と光秀 最後の対面
まずは公式ツイッターの伊藤英明さんのコメントをご覧いただきたい。
「十兵衛には、またもやフラれました(笑)。翻弄されてばかりです。それでも義龍(高政)は、十兵衛を許してしまう。それだけでなく、今も心から信頼できるのは十兵衛だけなんです。そんな2人の決別のシーンが、切なく美しいものに映っていればうれしいです」(伊藤英明)#麒麟がくる pic.twitter.com/LudUhVjB1Z
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) 2020年5月24日
義龍(高政)のすべてを凝縮して語っておられる。
道三の死後、義龍が光秀に「我が軍門に下り、わしが行う政(まつりごと)を助けよ」という意味のことを言った。
それが私には懇願に聴こえたのだが、その思いがあったからだろう。
信頼できる者、側にいて欲しい者は光秀だけであるとの思い。
初めの頃の友だちっぷりが懐かしい。
義龍にとっては悲しい別れとなってしまった。
しかも、この2年後に病死と……。
もうこの時から病んでいたのだろうか。
光秀に弱音を吐き、またフラれても微笑み、光秀が道三に言われた言葉を聞くと…
「父上か……」
と、アンニュイでもあり、恋しそうでもありげに呟いた。
「さらばだ」
それが義龍の光秀へのケジメの言葉だったのだろう。
国を治める地位について4年の武将が病死とは、いかに無念であったろうか。
あれ? 跡継ぎはいるのかな。
本当に戦国オンチで申し訳ない。
どうせ信長の領地になるのだろうが、経緯は市川海老蔵さんが教えてくれるかもしれない。
あくまで人任せである。
次回予告とまとめのようなもの
憂い顔の義輝。
義輝ファンがごとき光秀の微笑ましい表情。
義龍……いや、高政の孤独感。
初っ端の土田御前とのシーンには力が入ったが、気づいたら信長の上洛を端折ってしまっていた。
今回はやけに集中力に欠けていて、誠に申し訳ない。
久秀と信長のやり取りは台詞だけでなく、実際に観たかった。
そういえば何やら怪しげな女人が。
高貴なお姫様が被るような笠だったから…… 伊呂波太夫しか思いつかないけど、たぶん違う。
次回、明らかになるのかな?
さあさあ皆さん、次回はいよいよ大人になった家康(風間俊介さん)が登場。
信長「竹千代?」
光秀「竹千代?」
どちらもどういうシュチエーションよ?
思わず笑ってしまった。
もちろん菊丸(岡村隆史さん)も出てくるよ~。
菊丸、その手紙、誰から預かったのだ?
水野の殿様か家康の母上か?
家康を心配していた女性は、景虎のいとこ(?)の奥さんかな?
???ばかりですんまそ~ん。
そんな予告だった。
光秀は焦っていたけど、戦に駆けつけたりしちゃったりして。
信長様のためなら!って。
ああ、ダラダラと綴ってしまった。
ここまでに致そう。
それではまた。
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