朝の大失敗から始まり「宿命」に行き着いた日
本日3月25日、障害者年金の申請手続きを終えたことをご報告致します。
アドバイスをくださった方、ご心配いただいた方、応援してくださったすべての皆様に感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。
本来ならば達成感に浸っていたはずが、今日の私は予想とは違っていた。
夢うつつのような……実感がないという表現が近いだろうか。
そんな今日の顛末を記録しておく。
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病院でボーっとしたままのうつ病患者
また寝過ごし、病院に詫びの電話を入れてから慌てて出かけた。
もちろん食事も薬の服用もせずに。
これはよくないパターンである。
今日は市役所へも行くというのに、ブラザーに起こしてくれるよう頼むのを忘れていたのだ。
アラームなどでは、とっくに起きられなくなっている。
今思い返してもフワフワとした記憶だ。
現実だけど自分だけ夢の世界にいるような。
先生とのやり取りも最低限。
調子が悪そうに見えたのか、病院の人たちが通常より2割増し優しい気がした。
特に最後の先生の語調。
「診断書も書いたからね」
いつもより静かに、労わるような声音だった。
二度手間をかけたことを謝罪しなければならないのに、私はただ礼を述べて席を立ってしまった。
しかも心がこもっていない、あっさりしたトーンで。
後悔したのは病院を出てからだ。
会計や次回の予約で受け付けのおねえさんとも喋ったのに、ぼんやりと憶えている程度である。
ただ、診断書や処方箋、会計の伝票とお釣りと予約カードがカウンターにずらっと並び、焦ってカバンにしまう私に彼女は言った。
「ゆっくりでいいですよ~」
私は返事ができたのだろうか。
その声のおかげで焦らずにカバンに入れられた。
病院の皆様が私の状態を把握している。
なんてありがたいことか。
それなのに謝罪も礼もきっちり言えないとは、なんと情けない○○歳か。
次回はきちんとしよう。
それには朝食をとり、薬を飲み、目が覚めた状態で赴かなくてはならない。
予約時間を初めて10時台にしてみたが、ブラザーに頼むのも忘れないようにしないと。
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AI職員と思考停止の精神障害者
次は手続きのゴールである市役所へ向かう。
外は風が強く、玄関のアルコール消毒液が冷たく感じられる。
いつもの窓口へ行くと、いつもの女性職員が声をかけてくれた。
「こちらへどうぞ」
最初は普通……前回の人間味に満ちた雰囲気と同じように思えた。
私は淡々と必要なものをテーブルに並べる。
見本はあっても書いていいのか迷う部分などがあり、やはり記入漏れとして○を付けたり名前や住所を書いたり。
そうしているうちに昨日書いた書類が目の前に置かれた。
10箇所くらいだろうか。
目印らしきものが貼られている。
あの、すぐ剥がれるやつ。
年嵩の女性職員が何やら小声で指示をしている。
両隣に人がいて今日はやけにガヤガヤしていたから、普通の声で話しても私は聞き取れない。
書いた内容について不適切な部分でもあったのかと緊張したが、単に訂正印を押す箇所の目印だった。
ちっこい字でみっちり書いた書類、裏で年嵩の職員が目を通したのだろう。
そっか、あの人にも読まれたのか……。
まあ、書類に不備があれば損をするのは申請者 だ。
当然の行為で、それが彼女たちの仕事である。
2人の医師が書いた証明書・診断書にも目を通しただろう。
タイピングでしか書かない生活をしていると、本当に漢字が書けなくなる。
いつも書いたり読んだりしている簡単な漢字すら、確認が必要なほどだった。
最初から忘れているのならまだいい。
書きかけて「あっ、違う」となることが多く、それが目印だらけの書類になってしまったのだ。
あまりに字が小さくて訂正印に隠れてしまうのだが、それでも構わないらしい。
その書類以外も含め、20回はハンコの出番があった。
その辺りから彼女はAIに戻った気がする。
お昼の時間になってしまったせいだろうか。
彼女も私の文章が目に入っただろうから、感情を隠そうとしたのだろうか。
最後に申請する期間に関するような質問をされた。
私の頭はピクリとも回転しようとしない。
質問の意味を黙って考えていると、
「では、ここに丸を」
とか、
「ここに○○○○○○と書いてください」
という風に指示され、言われるがままに従った。
後で思い当たったのが、年金の取得期間をさかのぼるという意味の作業だ。
そのためには、本来なら前の医師による別の診断書がもう一つ必要なはず。
だから私は年金事務所でその方法はとらないと告げていた。
でも市役所ではそちらの方向に導いてくれたらしい。
裏技などといったら失礼になるが、意味すら理解できずにいた私に示してくれた温情なのだろうか。
指示する彼女の声はAIそのものだった。
「では、こちらの書類を年金事務所にお送り致します」
書類が揃い、市役所での用は済んだ。
私は席を立ち上がり、訂正や記入漏れが多かったことを詫びる。
すると……。
「い、いえいえ、そんなこと……(笑)」
AIではない、若い女性の声だった。
椅子の位置を戻そうと一歩下がり、直してから再度、礼を述べた。
頭を上げた私が見たのは……書類を大事そうに抱き締め、涙目で見送る女性。
どうやら彼女はダメージを受けてしまったようだ。
自ら申請に訪れる精神障害者には慣れているだろうに。
私のような者は、せめてあの年嵩の女性が担当すればいいものを……。
ただのセルフネグレクトなら障害者年金の申請なんてしないからね。
驚いただろうなぁ、先生にしか言ってないことを知ってしまって。
だから途中AIになっちゃったんだね。
本当に申し訳ない。
たぶん、もう会わないと思うけど彼女の潤んだ目は忘れられないだろう。
まとめのようなもの 宿命とは
とにかく疲れた。
薬局にも寄ったから、帰宅したのは午後1時ちょっと過ぎ。
ざーっと書いたので、細部は後で思い出すかもしれない。
必要な情報であった場合のみ追記することにしよう。
やっと食事をして薬を飲んだ私は、久々に気を失ったように眠っていた。
2時間くらいして、持ったままだったタブレットをチェックすると、ツイッターに瓜ヶ谷様からの返信が届いていた。
このツイートへの返信である。
あなたはケーキを切れますか?著者:宮口幸治ケーキの切れない非行少年たち【書評】 - こひー書店(cohii book store) https://t.co/VT8C6xIEOH
— やまうば@うつ病治療中 (@Ukq1P) 2020年3月23日
似たような話を読んだことがあると、わざわざある記事をご紹介いただいた。
それに対する私の返事。
こんにちは。昨夜は別の呟きへの返信かと勘違いしてしまい失礼致しました。砂の器の宿命という言葉を思い出します。運命ではなく、宿命。自分では変えられない、どうにもできないもの。それを生きること。
— やまうば@うつ病治療中 (@Ukq1P) 2020年3月25日
『砂の器』の「宿命」という言葉。
自分では変えられないもの、どうにもできないもの。
それを生きるということ。
申し訳ないが原作は読んでいない。
これは母の介護中に観たドラマで、もっとも胸に刻まれた言葉である。
ちょっと大げさにいうと、諦念とともに、私に理念をもたらした。
ドラマの設定は原作とはかなり異なる。
亡き原作者のご遺族の意向で、あの病の方々に配慮するために変更したと聞く。
1974年の映画版(出演:加藤剛さん、丹波哲郎さんなど)はU-nextなら、あと5日間だけ無料で観ることができる。
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ただでさえ不要不急の外出を避けなければならなくなると、こうした娯楽で鬱々とした気分から解放される時間が必要である。
「宿命」という大事な言葉をスポンサーの宣伝に結びつける。
これが、私が私の宿命を生きている証しの1つかもしれない。
笑ってもいいですよ。ご遠慮なく。
おっと、また日付け越えをやらかしてしまった……。
本文における「今日」は3月25日です。
書いている途中に、どうしても何か他のことをしてしまう。
集中力も回復させねば。
それではまた。
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