『麒麟がくる』第8回 同盟のゆくえ ネタバレ感想
まずは前回すっかり忘れていたこちらから。
明智光秀(長谷川博己さん)の他に気になった登場人物
いつも光秀目線なのに、いつの間にか高政目線になっていた。
では、目次から。
光秀と信長の出会い
これが観たかったのだ!と思いながら観終わると、私にとっては斎藤高政(伊藤英明さん)の回になっていた。
でも語っておこう。
み、見つめ合っている時間が長い……スローモーションだったからであるが。
オープニングテーマ曲を挟み、また見つめ合うシーンが。
ここのBGMがまた効果抜群だった。
だが光秀。
探るような眼差しでそんなに見つめ合ってたら怪しがられるぞ?
「織田信長……奇妙な男じゃ……」
それね、たぶん信長もそう思ってる。
絶対顔も覚えられたと思うし。
帰蝶と駒 せつない2人
いつもなら可憐なツーショット~ってとうっとりするところ。
でもせつなくて、全然はしゃぐ感じにならなくて。
素直に光秀を好きなことを認め合い、互いに悲しく笑うの。
帰蝶は政治の道具として、あちらへ、こちらへと嫁がされる。
駒は身分の違い、光秀の想い(駒は十兵衛様が好きなのは帰蝶だと思ってる)などから、かなうことのない恋心だと諦めている。
光秀、罪な男……と今回も連発したいところだが、罪な男の心が揺れ動いた回になった。
牧の言葉の強さ
帰蝶を信長に嫁がせたくなくて苦悩する光秀。
母の牧(石川さゆりさん)は言う。
「十兵衛……大事なのはこの国ぞ」
静かに、でも毅然とした声音で……って、ちょっと待ってよ~。
光秀の表情が大事なのはわかるけど、牧さん首から下しか映ってないよ?
ここはせめてツーショでお願いしたかったなぁ。
それにしても牧さん、本当に夫を慕っていたのね。
失った後の悲しみ苦しみとか、光秀は初めて聞いたのかも。
「国」とは何か。
時代によって体制が変わったりはしても、個人が考える大きな概念として時代に差はないんじゃなかろうか。
差はないのに偏重した伝統や教育・指導によって、それは歪められてしまう。
人々は追い詰められる。
昔の話ではなく、現在にも置きかえられることだ。
帰蝶、それ先に言っちゃう?
母の言葉で意を決した光秀は、尾張に輿入れするようキッパリと帰蝶に直言。
まさに団長……じゃない、断腸の思いで半ば声を震わせる光秀だったが…。
「十兵衛が申すのじゃ……是非もなかろう 」
当時は普通に使ってた言葉だろうけど、本能寺を思い出してしまうではないか。
染谷信長は言うのかな……また代わりに帰蝶が言ったりして?
あり得なくもないような気がしてくる不思議な感覚のドラマである。
一方、「もっくん、はしゃぎ過ぎ」と言いたくなるほど、コミカルな動作で喜ぶ道三(利政・本木雅弘さん)であった。
闇に落ちた純粋な高政
来ましたよ、高政から光秀に「ちょっとツラ貸せや」の上品番のお誘い。
2人のガチ議論が始まるのかと思ったら、場所は土岐頼芸の館。
光秀の父の名は光綱っていうのね。
「あけちみつつな」って言いにくくない?
いや、そんなことより高政である。
言い分は至極真っ当で、本当に国のためを思って純粋なの。
そのせいか、土岐頼芸のなんとも不気味な雰囲気が際立っていて良い。
光秀の肝の据わり方を見て、口説いても脅しても動かぬ男だと察したのだろう。
高政の熱弁中に大きなあくび。
尾美さん、さすがだよね。本気で腹立ったから。
威圧感でお馴染みの稲葉良通(村田雄浩さん)だけ呼びつけて、光秀を斬る斬らないの話とか、本当に腹黒だし。そういうキャラ好き。
2人だけになり、話をしようとした光秀を拒む高政。
もう仲良くケンカしてた頃の友にも同士にも戻れないのかな。
父を「下劣な男」「恥知らず」と母の深芳野(南果歩さん)に言い放ち、ついには…
「あれが父親なものか!」
と大爆発。
道三の側室の深芳野は、もとは頼芸の側室であったため、父からの愛情を感じないのは自分が頼芸の子だからではと疑っている。
頼芸がそう思わせる言葉をささやいたのは高政を味方につけるためでしょ?
史実は知らないけど、ドラマだけ観ているとどう見ても高政は道三の子。
苦しいだろうなあ~高政。
父からは愛されず、友には裏切られる形になり、本当の父親かもと思っている人に疎まれている空気。
生まれたからにはさ、誰だって愛されたいよね。
今の高政はひたすら孤独。
純粋な心が闇の底に落ちてっても仕方ないと思うよ。
道三も好きなんだけど、今回は高政に肩入れして観てしまった。
いつも駒駒言ってる私が、ずっと高政の孤独な気持ちを考えていたのである。
もちろん、主役は光秀だったけどね。
父の形見の1つを駒に?
牧が駒にお礼として渡したという桔梗の家紋入りの扇子。
牧も気づいているのだろうか。
そして光秀。
駒が京に帰ると聞いてから、ずっと重苦しそうな微妙な表情をしていた。
峠道での2人の会話は、駒が光秀への気持ちを断ち切るためのものだったけど、どちらかというと光秀の方が離れがたい様子で…。
泣き笑いしながら去って行く駒を見つめる表情は、今までの「父が助けたらしき子」扱いだけではなかったよね。
ああ、もうちょっとしんみりしたかったのに強烈なのが来ちゃいましたよ。
今川義元と大原雪斎のタッグめっちゃ強そう
松平弘忠(浅利陽介さん)が優男風なせいか、余計に画力を感じる今川義元(片岡愛之助さん)と大原雪斎(伊吹吾郎さん)。
役者が揃ってきたねえ、もうワックワク。
しかし本当に強そうな今川勢。
2人だけでめっちゃ強そうな今川勢。
弘忠、頑張ってね!
とか言ってるうちに信長、婚礼ドタキャン?
帰蝶も笑っちゃってるよ。
信長の出番は最初だけか~い。
今回はどんなラスト?予告でまさかのネタバレ
どんなラストかなと思って観てたら、光秀が1人でお手玉してましたとさ。
やっぱり駒がいなくなって寂しいんじゃ~ん。
でも、かなわぬ恋なら、光秀の駒への対応は正解よね。
帰蝶との別れあり、駒との別れあり、高政との間には大きな亀裂が。
高政サイドで観ちゃったけど、光秀も孤独っちゃあ孤独だよな…。
そして問題の次回予告ですよ。
匂わせ過ぎもほどほどにって言ったけど、何も予告で菊丸(岡村隆史さん)の正体ばらさなくてもいいじゃん…。
まあ、だいたいの視聴者は予想してたろうし、やっぱそうかと思ったし、どうせ観るんだけどもさ。
なに? 光秀に縁談で弘忠が殺されそうになって駒がやっぱり駄目なの?
完全に信長初登場のインパクトが吹っ飛んだね。
これ、本能寺の前に終わったりしないよね?
途中でも観たいところいっぱいあるのに、ごっそり飛ばされたりして。
なんて心配しつつも楽しんだ8回だった。
それではまた。